初来日のアーティストや、名建築で楽しむ実験音楽も
実験音楽、オーディオビジュアル、パフォーミングアーツのイベント「MODE 2024」が2024年6月1日(土)から6月9日(日)まで都内複数会場にて開催される。「MODE 2024」は合計4プログラム、8組のアーティストによるラインナップで構成され、国際的に高い評価を受けるアーティストや日本・アジアを拠点に世界で活躍するアーティストたちが東京に集結し、パフォーマンスを披露する。パフォーマンスプログラムに加え、住空間での音楽体験を楽しむリスニングプログラム「SOUND CEREMONY」も同時開催される。
プログラム概要
MODE 2024.06.01 at WALL&WALL
日本のアンダーグラウンド・ノイズ・ミュージックのレジェンドINCAPACITANTSを筆頭に、2010年代を代表する世界的に評価の高いデンマーク出身の実験音楽家、作曲家のPuce Mary、東京を拠点に国際的に活動するフリーフォームなアナログ・ノイズへのアプローチを発展させてきたマルチ・インストゥルメンタリスト、作曲家のYuko Arakiが出演し、パフォーマンスを披露する。
MODE 2024.06.03 at Sogetsu Hall
本プログラムではChristian Marclay、Steve Beresford、Phil Mintonといった数々の大物アーティストたちとのコラボレーションでも知られ、ベネチアビエンナーレや世界各国の美術館、ギャラリーにて作品を発表してきたチェリスト、作曲家、即興演奏家のOkkyung Leeがパフォーマンスを発表。ダブルヘッドライナーとして、近年日本を拠点にヨーロッパやアメリカで高い評価を得るサウンドアーティストのFUJI|||||||||||TAが、2024年3月にスペイン、バルセロナにて滞在制作した新たなライブセットを世界初披露する。パフォーマンスの舞台となるのは、いけばなの流派である草月流の総本部であり、日本を代表する建築家の丹下健三により竣工された、草月会館の地下階に位置する草月ホール。芸術家・彫刻家のイサム・ノグチによる石庭『天国』がエントランスに広がる同会館は、1958年から1971年まで日本の前衛芸術の中心的役割を果たした『草月アートセンター』の拠点でもあった。日本において実験的な表現を支えてきた歴史的背景を持つ空間にて、国際的に高い評価を受けるアーティストたちが一同に会し、パフォーマンスを披露する。
MODE 2024.06.04 at Sogetsu Hall
本プログラムでは、Beatrice Dillon、Buttechno、Laurel Haloなどとコラボレーションを重ね、ノルウェーグラミー賞に2度ノミネートされるなど世界的に注目を集めるノルウェーのサックス奏者、Bendik Giskeが初めて日本にてパフォーマンスを発表。また、日本を代表するフリー・ジャズ・サックス奏者であり、ミジンコ研究家としての側面も持つ坂田明、近年実験音楽界を賑わせ、日本初のソロ公演となるロンドン拠点の前衛的パーカッション奏者、Valentina Magalettiも出演する。
MODE 2024.06.08,09 SOUND CEREMONY at Ito House (Former Takahiro Sonoda House)
日本モダニズム建築を代表する建築家の吉村順三が、日本ピアノ界、クラシック界の功労者であるピアニスト園田高弘のために建てた邸宅、伊藤邸(旧園田高弘邸)にてホームリスニングプログラム「SOUND CEREMONY」を開催。住所非公開となっている同会場で住空間での音楽体験を楽しむためのプログラム。音楽のセレクションは世界に会員を持つ実験音楽バーBar Nightingaleが担当する。
出演者プロフィール
INCAPACITANTS(インキャパシタンツ/日本)
美川俊治が自分のソロプロジェクトであったContradictory Bridgeを、1981年頃、純粋にノイズに集中するソロ・レコーディング・ユニット "INCAPACITANTS" として再スタートした。様々なライブ活動と多数の作品リリースを経て現在に至る。
Puce Mary(ピュース・マリー/デンマーク)
Puce Maryは、デンマーク出身のアーティストFrederikke Hoffmeierのソロ活動名義。実験的な電子音楽のキャリアを背景に持ち、映画音楽のような作品演奏から、即興のハーシュ・ノイズの演奏まで幅広い表現を魅せる強烈なライブパフォーマンスで知られている。インダストリアルノイズの新世代としてしばしば言及されるPuce Maryは、以前よりも音の領域を広く探求し、近年は不穏なダイナミクスやシュールでシネマティックな音の要素を用い、緊張と解放が混じり合う複雑かつ音響的・文学的な作品を発表している。
Yuko Araki(ユウコ・アラキ/日本)
東京を拠点に活動するマルチインストゥルメンタリスト/コンポーザー。幼少期からピアノを弾き 始め、10代の頃よりハードコアやメタルミュージックに影響を受けていたが、近年は折衷主義的 な多種多様のプロジェクトを持ち、トライバルプログロックバンド “Kuunatic"のドラマーでもある。
FUJI|||||||||||TA(フジタ/日本)
自作パイプオルガン、声などを主軸としたサウンド・アーティスト。独自の楽器とミニマルなアプローチ、現象をよく観察することを大切にしながら、音響的な探究を続けている実験音楽家。
Okkyung Lee(オッキュン・リー/韓国)
チェリスト、作曲家、即興演奏家として知られる多才な韓国人アーティスト。ノイズ、ジャズ、クラシック、韓国伝統音楽など、さまざまなジャンルを取り入れ、独自の芸術表現を生み出している。
Bendik Giske(ベンディク・ギスケ/ノルウェー)
身体性、脆弱性、持続性に満ち溢れる表現で多くの批評家から高い評価を受けているサックス奏者、アーティスト。最新作である自身の名を冠したアルバム(Smalltown Supersoundよりリリースされた3作目)では、アーティストとして最高の状態にあると評価され、ノルウェーのグラミー賞に2度ノミネートされるなど、観客動員数は世界中で日々増加している。
坂田明(Akira Sakata/日本)
1945年、広島県呉市出身、広島大学水産学科卒業。ミュージシャン/東京薬科大学生命科学部客員教授、広島大学大学院生物圏科学研究科客員教授。72年~79年山下洋輔トリオに参加、80年より「Wha ha ha」「SAKATA TRIO」結成してヨ-ロッパツア-を皮切りに独立。以後様々なグループの形成解体を繰り返しながら世界中をあちこちぐるぐるしながらあれこれして今日に至る。
Valentina Magaletti(ヴァレンティーナ・マガレッティ/イタリア)
ドラマー、作曲家、パーカッショニスト。終わりない傾聴と新しい素材や音の実験を通じて、民俗的かつ折衷的な音のパレットを作ることを目指している。
「MODE 2024」開催概要
会期 | 2024年6月1日(土)~6月9日(日) |
会場 | 6/1 WALL&WALL 6/3 草月ホール 6/4 草月ホール 6/8~6/9 伊藤邸(旧園田高弘邸)目黒区某所 |
チケット | 公式サイトの各チケットページより |
URL | https://mode.exchange/ |