芸術家との縁も深い歴史あるアート密集地日本橋・京橋エリアにて「東京アートアンティーク2022」が開催
東京アートアンティーク実行委員会は「東京アートアンティーク2022~日本橋・京橋美術まつり~」を2022年4月28日(木)から4月30日(土)までの3日間開催する。「東京アートアンティーク」は「日本橋・京橋美術骨董まつり」として1998年に始まり、年に1回から2回開催してきた。2010年に名称を「東京アートアンティーク2022」と改めてから今回で12回目を迎えることとなり、今回は83軒の美術店・画廊の参加が決まっている。
東京都中央区の日本橋・京橋エリアは戦後から古美術・工芸・日本画・近代絵画・彫刻・版画など約150の専門店が多岐にわたり集積し、これほど美術店が密集する地域は世界でも少なく昭和の文豪や著名人が通い、芸術家との縁も深い歴史あるアート密集地。再開発が進む日本橋・京橋エリアであるが、地元企業も「アートと文化の街」として価値を見出し芸術文化を中心とした取り組みが年々増え続けている。その例として戸田建設や東京建物のイベントがある。戸田建設はアーティゾン美術館のあるミュージアムタワー京橋とともに「芸術文化の拠点形成」を目指す開発事業を進めており、京橋の歴史を芸術の観点から掘り起こす作業として「骨董通りマップ」の制作に取り組んでいる。東京 アート アンティークとも美術店と企業を人ベースでつなげる橋渡しを担うことで新たな関係が生まれ、京橋の美術商が関わる新たなアーティスト支援プロジェクト「KYOBASHI ART WALL」や京橋彩区が主催する「芸術文化講座」への登壇者紹介などにも繋がることとなった。
東京建物は、東京スクエアガーデン等で2022年3月18日(金)から4月10日(日)まで行われるフラワーイベント「Meet with Flowers」の中で、花と緑のパブリックアートの展示や「花」に因んだ地元の美術商の展覧会を紹介することで街全体への送客による活性化を目指している。このような取り組みに東京アートアンティークでは企業と美術店の間に繋がりをもたらし、オフィスワーカーがアートに触れる機会を作り出すArt in Tokyo YNKプロジェクトにもつながっている。
また地元ラジオ局「中央エフエム ラジオシティ」はギャラリーや作家の出演を通じて地元美術商ならではの生の声を届ける場を増枠して提供するなど、東京アートアンティークは地元企業やメディアと協力しながら、日本橋・京橋でより多くの人がアートに親しめるよう努めている。日本橋・京橋がアーティストの新たな挑戦の場となり新しい風が吹き込まれることで、銀座とは異なった「アートと文化の街」として新旧が共存する活気ある街が生まれる。東京アートアンティークはその原点として、日本橋・京橋の歴史とアートを気軽に楽しみ一級品に直に触れて自然と感性を磨くことができる機会となる。
オンライン展覧会
来店不要のオンライン展覧会を2022年4月28日(木)から5月31日(火)までの期間限定でウェブサイト上で開催。
茶の美 茶道具展
「茶の美」は茶道具商が運営する茶の湯情報サイトで、茶道具のオンライン販売をはじめ、茶の湯に関わる役立つ情報を発信している。今回ネットを飛び出し「茶の美」に参加するお店で2022年4月27日(水)から30日(土)までギャラリーくぼたにて合同展を開催する。「茶の美」としてはオンライン展以外でのリアル開催は初の試みとなる。各店が力を入れて蒐集してきた茶道具を一堂に集め展示する。
宋磁
「宋磁」は日本人にとって最も人気のある中国陶磁のジャンル。単色の釉薬にシンプルかつ洗練された造形のものが多く普遍性があるため、宋時代以降の明や清においても高く評価されてきた。また磁州窯系の作品の中には宋磁としては珍しい絵付けが施された作品もあり、モノクロームの世界に華を添えている。2022年4月28日(木)から30日(土)までの会期中、繭山龍泉堂と「MAYUYAMA ONLINE GALLERY」で全ての展示作品を閲覧できる。
『これも「絵」です』展 ~フォンタナ、K・へリング...他~
近年注目されている抽象画やポップアートを2022年4月28日(木)から30日(土)まで戸村美術/ギャラリー戸村にて紹介。フォンタナやエルスワース・ケリー、スーラージュ、キース・へリングなどが予定されている。
コプト裂展II
コプトとはキリスト教徒化したエジプトの人々を表す言葉で、3世紀〜12世紀の間中でもコプト裂と呼ばれる織物は人物や動植物など多岐に渡り海外でも人気がある。4年前に好評だったコプト裂展から新たに蒐集を続け、額装された物から裂の残欠までコプト裂を100点以上あつめた。2022年4月27日(水)から30日(土)まで古美術川崎にて展示され、残欠はその場で額装の提案も可能。
2人展~面と線の波動~オガワミチとおくやまのりこ
面と線はお互いの個性を表し、そんなふたりの作品の響きあいが『波動』という言葉に託しされた。日々気になったことや感じたこと、何気ない日常がひとつひとつ油彩やドローイング、蜜蝋画などで描れている。今回は波動をイメージする青を使った作品が2022年4月27日(水)から5月2日(月)まで並樹画廊にて展示される。
青磁展
大熊美術3周年記念展として青磁展を2022年4月28日(木)から30日(土)まで大熊美術にて開催。龍泉窯、耀州窯、鈞窯、越窯、高麗青磁などを展示即売し、龍泉窯の陶片も販売。また汝窯の陶片なども展示される。
魯山人と古美術
没後60年以上経ちながら未だ多くの人を魅了してやまない北大路魯山人。その芸術活動は陶芸、漆芸、篆刻、書画、絵画と多彩であり、生涯残された作品は30万点とも言われている。魯卿あん(しぶや黒田陶苑 京橋店)ではそうした膨大な魯山人先生の作品の中から逸品を選び2022年4月18日(月)から5月5日(木)までの間紹介される。京橋店である『魯卿あん』はかつて魯山人が店主であった『大雅堂藝術店』、『美食倶楽部』の跡地でもある。
樂のすべてが揃う即売会
樂茶碗は桃山時代、千利休に指導された樂家初代長次郎によって作り始められた。歴代が手探りの技法を継承しつつも、独自の意匠、釉薬を研究開発し当代の16代樂吉左衛門に至るまで、400年以上の長期にわたり魅了し続けている。初代長次郎から歴代の黒・赤名碗と軸、棗、茶入等の茶道具が2022年4月1日(金)から6月30日(木)までの間下井美術にて一堂に揃う。
松本敏裕展~画家の目、コレクターの眼~
松本敏裕は油絵を描く芸術家兼コレクターで、中国明末清初の色絵磁器を集めている。色絵磁器をモチーフにした静物画と集めた色絵磁器が2022年4月25日(月)から30日(土)までギャルリーフロレゾンにて展示される。
古美術のススメ Wonder of Antiques
「わかりやすくて、うつくしい」無邪気に美術と戯れられる手頃な価格から名品まで2022年4月28日(木)から5月19日(木)まで井上オリエンタルアート日本橋にて展示。来場者特典として展覧会図録を無料配布。
花の乙女 Flora
大伴家持の和歌「春の苑紅にほふ桃の花下照る道に出で立つをとめ」をテーマに花と乙女の作品たちが2022年4月28日(木)から30日(土)までかわうそ画廊にて紹介される。3月に画集「楽園の美女たち Paradise Garden」が出版され、人気作家の久下じゅんこ、樋口ひろ子、鈴木那奈に加えて新鋭・辻信之らの花々と乙女たちの約20点を絵画で楽しめる。
東京アートアンティーク2022~日本橋・京橋美術まつり~
開催日程 | 2022年4月28日(木)から30日(土)まで(各店舗の営業時間に準ずる) |
エリア | 東京都中央区 京橋・日本橋を中心とした地域 |
美術店・画廊 | 83軒(2022年3月1日現在) |