「幻の風景写真」が深遠な時間と空間を横断しながら問いかける
マイナビアートスクエアでアーティスト / 写真家・苅部太郎個展「あの海に見える岩に、弓を射よ / Aim an Arrow at the Rock in the Ocean」が2024年7月26日(金)から8月31日(土)まで開催中。苅部は、今日の社会における複雑な様相をメディア技術や知覚システムの根源に立ち戻り、人類学や哲学など知の領域から「人がものを見る経験」を再認識するコンセプチュアルな作風を特徴としている。活動開始から一貫して写真メディアを使用し、初期は被災地・紛争国などでのフォトジャーナリズムや、人形やロボットなどの人工物と人間関係を結ぶ人々を捉えるドキュメンタリーの手法を採用。そして近年は、テクノロジーと人間が相互作用しながら形成するホロスの主観的視覚世界の視覚化など、角度を変えながら手法を考察している。
本展では、苅部が2022年から続けるプロジェクト「あの海に見える岩に、弓を射よ」に新作を交えて発表。本作はマシンの知性からバイアスを引き出し、その眼に“幻の風景写真”を撮らせる認知心理学的な試みで、太古の穴居人が洞窟壁画や星座に抱いた「夢想」と、現代に生きる私たちの誰しもが囚われる「欲望」を、苅部はマシンを依り代にして魔術師のごとく作品に投影する。
苅部太郎
1988年愛知県生まれ、東京都在住のアーティスト/写真家。心理学・感染症予防・金融・ITの領域を横断した後に写真表現を始める。活動は国内外で評価され、『EL PAÍS Semanal』や『WIRED. jp』にて作品が取り上げられるほか、「浅間国際フォトフェスティバル」や「Auckland Festival of Photography」などの展覧会にも多数出品。今年春に開催された「ジャパンフォトアワード」では、審査員であるキュレーター/『Foam Magazine』元編集長の「Elisa Medde賞」を受賞。現代写真の新たな領域を切り拓く存在として注目を集めている。
「あの海に見える岩に、弓を射よ / Aim an Arrow at the Rock in the Ocean」開催概要
会期 | 2024年7月26日(金)〜8月31日(土) |
時間 | 11:00〜18:00 |
会場 | MYNAVI ART SQUARE (MASQ) |
休館日 | 日月祝日 |
料金 | 無料 |
URL | https://tinyurl.com/25yzdf8p |