現代美術家・舘鼻則孝の新作個展が、注目のアートスポットTERRADA ART COMPLEX内のKOSAKU KANECHIKAにて開催
品川・天王洲エリアで注目のアートスポットTERRADA ART COMPLEXのKOSAKU KANECHIKAにて、アーティスト 舘鼻則孝の新作個展「Descending Painting」が、2021年9月4日(土)から10月9日(土)まで開催される。これまで、日本古来の文化的に価値のある部分と、現代の要素を組み合わせることで、新たな視点と世界観を提示してきた舘鼻則孝は、本個展にて仏教の来迎図から着想を得た絵画シリーズ《Descending Painting》を中心に、代表作の《Heel-less Shoes》を含む新作35点を展示する。オンライン上で閲覧可能なウェブページ「オンラインビューイングルーム」も用意し、作品詳細の閲覧から購入、購入に関する問合せができる。
本展のタイトルにもなっている《Descending Painting》は、仏教において、臨終を迎える際に、阿弥陀如来と菩薩が雲に乗り迎えに現れる場面を描いた「来迎図」に着想を得て制作されたもの。舘鼻の描く来迎図には、阿弥陀如来と菩薩が描かれる代わりに雷が描かれている。雷は、神道における依代に「神のみたまが依り憑く」場面をモチーフとして表しているとも言える。「生と死」や、その「境界線」という視点から日本独自の死生観を表現する舘鼻の作品上には、仏教と神道における双方の価値観が共存する「神仏習合」と呼ばれる習合思想が示されている。
Descending Painting について
《ディセンディング・ペインティング》のモチーフとして描かれている雲や雷は、「天と地」また「生と死」を示す境界線を隠喩するモチーフとして、舘鼻作品の中に度々用いられている象徴的なアイコン。新作では、レイヤー状に重なった複数のパネルから構成されており、境界線という主題に対しての舘鼻の視点が明確に表現されている。
Descending Layer について
積層されたガラスの視覚効果を用いた《ディセンディング・レイヤー》は、《ディセンディング・ペインティング》から派生した立体作品のシリーズ。高透過ガラスにアクリル絵の具でモチーフが描かれた本作は、積層されたガラスの反射効果を用いて、作品内に広がる空間に図像が無限に繰り返すインフィニティミラーの技法が用いられている。
Heel-less Shoes について
《ヒールレスシューズ》には、7足で9万2000粒ものクリスタルが緻密な手仕事によって一粒一粒あしらわれている。最も背の低いベビーヒールレスシューズから、踵までの高さが約45センチもある「レディー・ロマネスク」と呼ばれる最も背の高いヒールレスシューズまで一堂に展示されている。「レディー・ロマネスク」は、レディー・ガガの愛用したヒールレスシューズの中でも最も背の高い作品で、彼女が所有しているもの以外では、本展での展示が実作品の初公開となる。
舘鼻 則孝(たてはな のりたか)プロフィール
1985年東京生まれ。2010年に東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻を卒業。遊女に関する文化研究とともに、友禅染を用いた着物や下駄の制作をする。2012年から2019年は、21_21 DESIGN SIGHT、東京都現代美術館、POLA Museum Annexなどの美術館での個展をはじめ、ニューヨーク、パリ、ベルギーなど世界各地で作品を発表。また2016年3月にパリのカルティエ現代美術財団で文楽公演を開催するなど、幅広い活動を展開している。作品はメトロポリタン美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館などに収蔵されている。また2021年には、東京の伝統産業に焦点を当てた東京都主宰のオンライン展覧会「江戸東京リシンク」(和敬塾 旧細川侯爵邸、2021)の展覧会ディレクターを務めた。
舘鼻則孝「Descending Painting」開催概要
会期 | 2021年9月4日(土)- 10月9日(土) |
開廊 | 11:00 - 18:00 (日・月・祝は休廊) |
会場 | KOSAKU KANECHIKA |