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展示概要

ポーラ美術館は、現代美術を展示するスペース「アトリウム ギャラリー」にて、佐藤翠Diaphanous petals(ダイアファナス・ペタルス)」展を2019年12月15日から2020年4月5日まで開催。本展は佐藤翠にとって美術館での初めての個展となる。

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佐藤翠《Diaphanous pink window II》2019, Glitter, oil and acrylic on canvas 194.2×259.3cm photo by Kenji Takahashi © Midori Sato, Courtesy of Tomio Koyama Gallery / Koyama Art Projects

佐藤翠 (1984〜) は、服や靴などのファッションアイテムがひしめくクローゼットや、装飾的な文様で覆われたカーペット、そして色彩豊かな花々を、油彩やアクリルで描くアーティスト。ドレスやハイヒール、花や果物など、一貫して女性的なモティーフにこだわりながら、正面観を意識した構図やコントラストの強い色彩表現、身体性を感じさせる力強い筆のストロークによって、独自の絵画表現を追求してきた。個展やグループ展での作品発表のほか、小説の装丁画や挿絵を手掛けている。

本展では6点の新作を発表。縦1.94×横2.59mにおよぶ《Diaphanous pink window I》を含む大作3点と、これまでも連作として描いてきた花やカーペットをモティーフとした小品3点。光溢れるショーウインドウを描いた大作3点では、ガラス壁から自然光が差し込む開放的なポーラ美術館の展示空間にインスパイアされた佐藤が、閉ざされた室内を暗示する色彩表現を用いた従来の「クローゼットシリーズ」から一転し、やわらかな光で満たされた空間の描出に挑む。かすれた筆跡や滴り落ちる絵具の線、油彩とアクリルが混ざり合うことで生じた滲みは、光のきらめきや反射、ハレーションのような効果を生み、鑑賞者の眼を心地よく刺激する。人工的に作り出された服を描きながらも、”透明な花びら(Diaphanous petals)”が重なり合うような儚さを感じさせ、また規則的な服の連なりが多彩な色の線となり、限りなく抽象的で軽やかな表現へと近づいていく。

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佐藤翠《Diaphanous pink window I》2019, Glitter, oil and acrylic on canvas 194.5×259.3cm photo by Kenji Takahashi © Midori Sato, Courtesy of Tomio Koyama Gallery / Koyama Art Projects

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佐藤翠 《Bouquet of roses I》 2019, Oil and acrylic on canvas © Midori Sato

アーティストプロフィール 佐藤翠

1984年愛知県生まれ、東京在住。名古屋芸術大学美術学部絵画科洋画コース卒業 (2008年)、東京造形大学大学院修了 (2010年) 。平成29年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてフランスに滞在。服や靴が整然と並ぶクローゼットや、四季折々の花や果物を油彩やアクリルを用いて描き、具象と抽象の間を揺れ動く装飾的な絵画表現を試みる。主な個展に「Glimmer of night」SCÈNE (東京、2019年) 、「Bouquets」8/ART GALLERY/Tomio Koyama Gallery (東京、2019年) 、「Orange glow」Green Flowers Art (パリ、2018年) など。2013年のVOCA展にて大原美術館賞受賞。

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佐藤翠

展示情報

会期2019年12月15日(日)~ 2020年4月5日(日)
会場ポーラ美術館 アトリウム ギャラリー
作品点数新作6点
佐藤翠 《Bouquet of roses I》 2019, Oil and acrylic on canvas © Midori Sato
主催公益財団法人ポーラ美術振興財団
協力小山登美夫ギャラリー