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シベリアのポーランド孤児救済がつないだ日本とポーランドの絆 ―ポーランド児童神戸出港100周年記念―

日本美術技術博物館Mangghaは、日本に滞在したポーランドのシベリア孤児に関する企画展「出会い」を、兵庫県国際交流協会ひょうご国際プラザ交流ギャラリーで開催されるイベント「シベリアのポーランド孤児救済がつないだ日本とポーランドの絆 ―ポーランド児童神戸出港100周年記念―」内2023年2月14日(火)から2月28日(火)まで展示する。adf-web-magazine-siberian-orphans-art-exhibition-1

シベリア孤児について

1919年から1923年までに東シベリアと満州地域から日本やアメリカ・イギリスを経由して祖国に避難したポーランドの子どもたち900人弱のグループのことを指す。孤児を避難させるというとてつもなく大きな課題を引き受けたのは、主にウラジオストク、ハバロフスク、ハルビンにいたポーランド人の共同。子どもたちを祖国ポーランドに帰還させる活動は国家・文化・宗教の境界を越えた、理解と幅広い支援を得た。この事業において決定的な役割を果たしたのは貞明皇后を初めとする皇室、政府、日本赤十字社、軍隊、行政そして子どもたちが住む各都市にいた民間人らであった。シベリア孤児らは日本で歓迎と庇護をうけると同時に、未知の文化・宗教・異国の習慣と風習に親しむこととなる。ポーランドと日本という二つの世界が接し、相互浸透するところに「第三の空間」が生まれていった。それは新しい場所であり、また、両国によって共有された領域であった。シベリア孤児たちは生涯を通じて日本を記憶し続け、心からの確信を込めて「日本は私の第二の祖国だ」と言い続けた。

作品展概要

作品展では、1919年から1923年に帰還したシベリアの子どもたちの運命をポーランドの若手作家9名がそれぞれの解釈・手法で表現し、約100点を展示する。シベリア孤児救済活動が行われてから100年以上が経過したが、祖国までのこの困難で日常を隔絶した、しかし幸福な旅路は社会的・文化的空間に常に存在し続けている。ポーランド・日本協力分野に結集した社会集団の集合的記憶の中で、重要な位置を占め、書物・映画・電子メディアなどによって蓄積され伝達される開かれた文化的記憶に登場する。シベリア孤児の歴史という開かれた空間における最新の創造的活動の一例が、今回、神戸での作品展示が行われる、日本美術技術博物館マンガ館(クラクフ)で実現したプロジェクト「出会い」となる。

アーティスト

ナタリア・ブフタ・ストヘル

当作品展のキュレーターであり、芸術修士、教育者、そして画家。ヤン・マテイコ記念クラクフ美術大学絵画学科で造形美術教育を専門に学んだのち、創造性トレーニングと想像力育成のワークショップを数多く企画。現在、美術大学と日本美術技術博物館マンガ館勤務。博物館では、展覧会や教育プログラムのシナリオや構成をする一方、教育チームのコーディネートも行う。「出会い」展では、他の作家の作品の監修とともに、自らも肖像を制作。adf-web-magazine-siberian-orphans-art-exhibition-2

シルヴィア・ラムス

ヤン・マテイコ記念クラクフ美術大学のグジェゴシュ・ベドナルスキ教授に絵画を学び、優秀な成績を修める。具象画に携わり、観察を基に油絵を描き、主にとても個人的でリアルな肖像や自画像に取り組む。adf-web-magazine-siberian-orphans-art-exhibition-5

パウリナ・パジジェラ

クラクフ教育大学版画学科、ヤン・ブイノフスキ教授のリノカット研究室を成績優秀で卒業。創作活動では、描画、自ら見つけた既存の物体、写真、イラストなどを題材とすることが多い。2017年に日本美術技術博物館マンガと協力関係を結び、シベリアの子どもたちのストーリーに出会ったことで、この物語に関わる企画に連続して携わりはじめる。adf-web-magazine-siberian-orphans-art-exhibition-3

バルテク・グルニ

クラクフ美術大学卒業。ズビグニエフ・バイカ教授の学際的芸術研究室で卒論を発表。絵画を専門としながらも、彫刻、インスタレーション、映像や音声表現にも取り組む。adf-web-magazine-siberian-orphans-art-exhibition-4

アレクサンドラ・ボチャンスカ

1997年ラドムスコ生まれのアーティスト。2017年にヤン・マテイコ記念美術大学絵画学科入学。現在、アダム・ブリンケン教授の絵画研究室とラファウ・ボルチャ教授の描画研究室に所属する5年生4Styles基金の2021年CALL4 ARTS賞受賞。adf-web-magazine-siberian-orphans-art-exhibition-6

アンナ・ヴァルデンガ・チャヤ

アーティスト。1997年クラクフ生まれ。クラクフ・ヤン・マテイコ美術大学絵画学科卒。2021年ミロスワフ・シコルスキ教授研究室で修士取得。絵画、描画、大規模絵画、挿画に携わる。adf-web-magazine-siberian-orphans-art-exhibition-7

ヤン・ポドグルスキ

1987年キェルツェ生まれのアーティスト。2006年から2011年までクラクフ美術大学絵画学科で学び、2015年同校で美術博士号取得。クラクフ美術大学絵画学科の描画・絵画実習室で1年生を対象に准教授として勤務。描画、絵画、書籍挿画を制作。また、多くの壁画の企画の制作者でもある。adf-web-magazine-siberian-orphans-art-exhibition-8

ズザンナ・ピエチンスカ

1994年グダンスク生まれのアーティスト。エラスムス+プログラムによるイスタンブール・ミマール・スィナン芸術大学奨学金生。021年クラクフ美術大学絵画学科ズビグニェフ・バイカ教授の下、修士号取得。対象の深層心理を反映させる肖像を得意とし、カンバス上に新たな顔を発見することに情熱を注ぐ。

シベリアのポーランド孤児救済がつないだ日本とポーランドの絆―ポーランド児童神戸出港100周年記念―

期間2023年2月14日(火)から2月28日(火)まで
時間10:30~17:00(土、日、祝は休館)
場所兵庫県国際交流協会ひょうご国際プラザ交流ギャラリー
入場無料