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青森を周遊しながらアートと地域の魅力を再発見するアートフェス

青森県の5つの美術館・アートセンター(青森県立美術館青森公立大学国際芸術センター青森弘前れんが倉庫美術館八戸市美術館十和田市現代美術館)によるアートイベント、AOMORI GOKANアートフェス2024 「つらなりのはらっぱ」が2024年4月13日(土)から9月1日(日)まで開催されるにあたり、内容が発表された。

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AOMORI GOKAN アートフェス 2024

本アートフェスは①共通企画②メイン企画③同時開催の3つの構成からなる。①共通企画は会場となる5館を巡回する企画で、今年は美術家・栗林隆による体験型のインスタレーション作品である《元気炉》に決定した。5館をつなぐ作品となる。②メイン企画は5館それぞれの会場で、本フェスのテーマ「つらなりのはらっぱ」に基づき開催されるメインの企画。③同時開催は5館で同時期に開催される展示を指す。

本フェスでは鑑賞者が5館を周遊して楽しめる仕掛けとともに、各地域にある自然や食、建築など豊かな文化に触れながら、青森の魅力を再発見できることを目指している。公式ガイドブック付き5館周遊チケット販売や、周遊モデルコースなどが公式サイトで紹介されている。

①共通企画:栗林隆 《元気炉》

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栗林隆 《元気炉》2022年 (《蚊帳の外》ドクメンタ15、ドイツ・カッセル)より Photo:Rai Shizuno

本アートフェス後半の8月から最終日にかけて、栗林隆による《元気炉》が開催館を巡回する。栗林隆は、空間の内と外、自然と人間、人間同士の間にある境界など、あらゆる時代や場所に存在する「境界」に目を向けて、その意味を問い直すような作品を制作してきた。《元気炉》は、原子炉の形状をした構造物に薬草の香りを帯びた蒸気を発生させて、観客が中に入って体験することが可能な作品。2011年の東日本大震災後に再認識した原発事故の恐ろしさと、持続性の高い自然エネルギーや再生可能な社会に向けた提案とを重ね合わせた構造となっている。

展示スケジュール(予定)
  • 8月9日(金)~8月11日(日):青森県立美術館
  • 8月14日(水)~8月15日(木):青森公立大学 国際芸術センター青森
  • 8月18日(日)、19日(月)、21日(水):八戸市美術館 
  • 8月24日(土)、25日(日):十和田市現代美術館
  • 8月28日(水)~9月1日(日): 弘前れんが倉庫美術館
栗林隆 プロフィール

1968年、長崎県出身。東西統合から間もない1992年よりドイツに滞在、その頃より「境界」をテーマにドローイング、インスタレーション、映像など多様なメディアを使いながら作品を発表。現在は日本とインドネシアを往復しながら国際的に活動する。主な展覧会に、2022年、ドクメンタ15(Cinema Caravan and Takashi Kuribayashiとして)、カッセル、ドイツ。2019年、瀬戸内国際芸術祭2019「伊吹の樹」、伊吹島、香川。2018年「パレ・ド・トーキョー Enfance/こども時代」展、パレ・ド・トーキョー、パリ、フランス。2012年、個展「Water >I< Wasser」十和田市現代美術館、青森など。

②メイン企画

青森県立美術館「かさなりとまじわり」(前期:2024年4月13日(土)~6月23日(日)、後期:7月6日(土)~9月29日(日)
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参考図版 吉田克朗 《work 9》 1970年 ユミコチバアソシエイツ蔵

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参考図版 原口典之 《F-8E CRUSADER》 (「十字路-CROSSROAD」ART BASE 百島広島での展示風景) 2014年 ©ART BASE MOMOSHIMA

青森県立美術館を設計した青木淳が提唱した「原っぱ」論を援用し、展示室のみならず、コミュニティギャラリーやワークショップエリア、屋外ヤードなども展示やプロジェクトに活用。展示室を含めた諸室をそれぞれの「原っぱ」に見立て、館内外の至るところでアートを発見、鑑賞、体験できる場を設けることで、美術館全体に大きな「つらなり」を生み出していく。

青森公立大学 国際芸術センター青森「currents / undercurrents -いま、めくるめく流れは出会って」(前期:2024年4月13日(土)~6月30日(日)、後期:7月13日(土)~9月29日(日)
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岩根愛 《The Opening》 2022年

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青野文昭 《ここにいないものたちのための群像 - 何処から来て何処へ行くのか - サイノカワラ 2016》 2014ー2016年

「現在」という意味をもちながら、海流や気流をはじめとして、ある一定の方向に動く水や空気、電流などの変わり続ける流れを示す「current」と、表面や他の流れの下にある目に見え難い流れや暗示を意味する「undercurrent」をキーワードとして、ある場所とかかわり合いながら表現をつむぎ出す国内外のアーティスト、そして青森ゆかりの表現者たちによる作品が集う。

弘前れんが倉庫美術館 (2024年4月6日(土)~9月1日(日)
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参考図版 蜷川実花《花、瞬く光》2022年 ©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

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参考図版 狩野哲郎《21の特別な要求》2021年 Courtesy of the artist

  • 「蜷川実花展 with EiM:儚(はかな)くも煌(きら)めく境界 Where Humanity Meets Nature」
  • 「弘前エクスチェンジ#06『白神覗見考(しらかみのぞきみこう)』」

写真家・映画監督の蜷川実花が、データサイエンティストの宮田裕章、セットデザイナーのEnzo、クリエイティブディレクターの桑名功らと結成したクリエイティブチーム・EiMとの協働により実現する大規模な個展。

八戸市美術館 「エンジョイ! アートファーム!!」(2024年4月13日(土)~9月1日(日)
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5人のアーティストたち (左から磯島、東方、漆畑、しばやまいぬ、蜂屋)

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しばやまいぬ 《疾風少女2》 2018年

美術館のコンセプト「出会いと学びのアートファーム」を体現する企画を実施する。美術館を象徴する空間「ジャイアントルーム」において、八戸を拠点に活動する5人のアーティストが、来館者と共につくり、楽しむプロジェクトを展開。絵画や版画、写真、ダンスなど、多様なジャンルで日々繰り広げられる活動により来館者とアーティストがこの場で出会い、関わり合うことで、まるで畑に蒔いた種のようにどんどん育っていくことを期待する。

十和田市現代美術館 「野良になる」(2024年4月13日(土) ~11月17日(日)
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参考図版 丹羽海子 《Metropolis Series: Good Egg Community》 2022年 Courtesy the artist and Someday, New York 撮影:Daniel Terna

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参考図版 アナイス・カレニン《リコマペ》2022年 Photo:竹久直樹

「野良になる」展は、本アートフェスのテーマである「はらっぱ」を自然と人間の交わるところと捉え、それらの複雑に絡まる関係性に注目した展覧会。本展では近代が生み出した自律した理性的な主体としての「人間」を見直し、その成立過程で排除された存在や思考に目を向けていく。

③同時開催

青森県立美術館
  • 「帝国ホテル二代目本館100周年 フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」(2024年3月20日(水・祝)~5月12日(日)
  • 「鴻池朋子展:メディシン・インフラ」(2024年7月13日(土)~9月29日(日)
八戸市美術館 
  • 「展示室の冒険」 (2024年4月20日(土)~6月24日(月)
  • 「tupera tupera のかおてん.」(2024年7月6日(土)~9月1日(日)
  •  「コレクションラボ 007 大久保景造と八戸文化」(2024年3月23日(土) ~7月8日(月)
  •  「コレクションラボ 008 彩る書」 (2024年7月13日(土)~10月28日(月)
十和田市現代美術館
  • 「尾角典子展」(2024年7月6日(土)~9月8日(日)

AOMORI GOKANアートフェス2024「つらなりのはらっぱ」開催概要

会期2024年4月13日(土)~9月1日(日)
主催AOMORI GOKAN アートフェス 2024 実行委員会(青森県立美術館、青森公立大学 国際芸術センター青森、弘前れんが倉庫美術館、八戸市美術館、十和田市現代美術館、青森県、青森市、弘前市、八戸市、十和田市、(公社)青森県観光国際交流機構)
URLhttps://aomori-artsfest.com/