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海上建築 N-ARKが海面上昇の課題解決に向けて海から建築を再発明する”Arktecture”を始動

気候変動で深刻化する海面上昇と塩害課題に取り組むアーキテックスタートアップのN-ARK|ナークが、近代建築が最も苦手としていた海に適応する建築と耐塩性技術を融合させたArktecture(Ark+Technology+Culture)を実現させ、海面上昇や水害塩害問題に取り組む。第一弾としてCULTIVERA(カルティベラ)とのパートナーシップにおいて、海水を栄養源として栽培ができる海水農業技術と、育成環境を実現する耐塩建築を融合させた海上ファーム「Green Ocean(グリーンオーシャン)のプロトタイプ建設を実証実験する。

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海上ファーム「グリーンオーシャン」

日本では水害がここ数年で激化し令和元年には台風、集中豪雨により被害額は約2兆1,500億円となり、その浸水面積は約8億平方メートルとなった。水害に加え海面上昇による水没リスクは2030年までにも東京湾、大阪湾、伊勢湾周辺で予測されている。N-ARKは近代建築が取り組んでこなかった「塩」に対して活用方法や防御方法を様々な要素技術を組み合わせながら「海上建築」という形でプロトタイプしていく。第一段のグリーンオーシャンから始め、海中環境を回復させる沿岸地域開発、そして2050年までに2億人を超える気候難民の受け入れまで応用できる「海上不動産」の実現に取り組んでいく。

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海上ファーム「グリーンオーシャン」

海上ファーム グリーンオーシャン

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海上ファーム「グリーンオーシャン」

耐塩建築技術
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グリーンオーシャン 海水農業技術

グリーンオーシャンを沿岸部に浮かべると、海の上下空間に二つのグリーンを生み出す。海上には塩性農業技術を活用し、食糧生産を目的としたファームが生み出すグリーン。もう一つは海面下の藻類等の栽培によって海中環境改善を目的としたグリーン。建材は間伐材を使用し、木材ジョイントは耐塩性を考慮したカーボンジョイントを採用予定。浮体設備には、特殊塗膜による浮力を増加を想定している。雨水を効率的に取り込むために屋根の形状が特徴的になっている。雨水と海水を混ぜ合わせる事でph調整と稀釈率調整を行い、塩性農業の肥料となる。室内温度は、気温が安定している冷たい海水を利用し、ファーム内の空調として利用する循環的なシステム環境する事で、グリーンオーシャンは「地球の絆創膏」の様な役割を持つ。

海水農業技術

海水農業技術を研究開発するパートナースタートアップ「カルティベラ」は、三重県で10000m2まで拡大している農業法人「ポモナファーム」で栽培、販売、運営もしている。その基礎技術となっているのが湿度管理で栽培する技術「モイスカルチャー」。5mm程の特殊繊維で自然の土壌の表層約15cmを再現する技術で、特殊繊維によって水を水分気化し、植物に水分枯渇ストレスをかけながら育てる事で、糖度やビタミンが強化された野菜を栽培する事ができる。モイスカルチャーで使用する水は従来の灌漑農法の10分の1で済み、水が豊富でない土地でも応用可能な栽培技術だ。海水農業は、アルカリ性の海水と酸性の雨水を混ぜ合わせ中和し、品種に合わせて多様な種類の根を育成する事で地中と空中の水分と養分が吸収出来る特殊な栽培をする。その結果、海水に含まめるミネラルと栄養素を活用できる機能性野菜に成長する。

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海中環境改善

海中環境改善

植物プランクトンや海藻の光合成による基礎生産は浅い海(干潟・磯・浜)で生態系を循環させているが、環境悪化によりこの基礎生産量が減少し、漁業にも影響を与えている。グリーンオーシャン海面下で藻類などを栽培し、海中環境改善をしていく。※構想段階

N-ARK メンバー

田崎 有城 代表取締役 / 総合プロデューサー
2018年KANDO設立。同時にリアルテックファンドメンバーとしても多数のテックベンチャーと並走しながら総合的なハンズオン支援を行う。

塩浦 政也 /建築設計技術開発担当
2013年に領域横断型のデザインチームNADを立ち上げイノベーション案件を創出。2018年「Scape」起業。

木下 明 取締役 / パブリックリレーション担当
2016年にMONOLITH起業。複数の企業の事業開発コンサルティングを行う。

永田 宙郷 /素材開発担当
金沢21世紀美術館(非常勤)、デザインプロデュース事務所等を経て、 TIMELESSを設立。アジア有数のデザインイベント「DESIGNART」の共同発起人を務める。