「時間を想像する」
恵比寿映像祭は、年に一度、2020年2月7日から23日まで15日間にわたり展示、上映、ライヴ・イヴェント、トーク・セッションなどを複合的に行う映像とアートの国際フェスティヴァル。映像分野における創造活動の活性化をめざし、東京都写真美術館全館及び地域会場で開催される。今回で第12回目の開催となる恵比寿映像祭では「時間とは何か」という映像が併せ持つ本質について探求する。展示や上映の作品から、鑑賞者と映像を巡り・楽しみ・考えるプログラム「YEBIZO MEETS」の展開までを通じて、多様な映像表現に触れていく内容となっている。 また、第12回恵比寿映像祭は、オリンピック・パラリンピックの開催都市東京が展開する2020年を盛り上げる文化の祭典「Tokyo Tokyo FESTIVAL」の1つとして開催される。
ディレクターメッセージ
時間は、時計の針のように一方向に進んでいるように見えます。人間にとって当たり前に存在していると思われていながら、いざ「時間とは何か」と問われたら、こたえるのは容易ではありません。宇宙の起源や生命の働きなどと同様に、現代物理学の世界でも時間はいまだ大きな謎に包まれています。
一方、映像のなかでは、時間は逆行したり、現在と過去や未来がつながったり、人々が、そのなかを自由に行き来することもできます。さらにアートをはじめとする様々な映像表現では、すでに起こった過去の出来事や歴史による集団的記憶をどのように伝え記録し、あるいは予測不可能な未来をいかに語ることができるのかという問いのもと、さまざまな時間のとらえ方がなされています。例えば、超高速カメラは、肉眼ではみることができない瞬間をとらえ、SF(サイエンス・フィクション)映画は近未来の世界や、人間以外の時間を描いてきました。むしろ、私たちは、現存する時間ではなく、映像によって浮き彫りにされる不可視の時間の存在を確かめながら、自らがいる今をとらえようとしているのかもしれません。
第12回恵比寿映像祭では、「時間を想像する」をテーマに、多彩な作品やプログラムをご紹介していきます。誰にとっても身近であり同時に解き明かされていない時間にかかわる作品をとおして、新しい発見が生まれ、観客との対話や交流を導く機会を作りたいと思います。そして、アートや映像表現から時間を想像することで、動く写真(motion picture)である映像の本質に迫り、あらためて現在をみつめ考察していきます。
第12回恵比寿映像祭ディレクター 田坂博子
第12回恵比寿映像祭概要
名称 | 第12回恵比寿映像祭「時間を想像する」 Yebisu International Festival for Art & Alternative Visions 2020: The Imagination of Time |
期間 | 2020年2月7日(金)~2月23日(日・祝) |
会場 | 東京都写真美術館、日仏会館、ザ・ガーデンルーム、恵比寿ガーデンプレイス センター広場、地域連携各所ほか |
休館日 | 月曜日(2月10日、2月17日) |
料金 | 入場無料 ※定員制のプログラムは有料 |