記憶の束がかたちをもって現れたような作品

現代美術家・松山智一が、パリにあるフォンダシオン ルイ・ヴィトンで2024年10月16日(水)から2025年2月24日(月)まで開催のグループ展「ポップ・フォーエバー、トム・ウェッセルマン&...」に参加する。松山のペインティングシリーズの一つ「Fictional Landscapes」から、《Silence Wind Flower Believe》(2022)、《Safety Retrospective》(2024)、そして本展覧会のために描き下した《Serenity Exhale Protection》(2024)が展示される。

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Safety Retrospective(2024)、H279.4 × W200cm、アクリル絵具・ミクストメディア、カンヴァス

本展は、ポップアートの代表的なアーティストであるトム・ウェッセルマンの絵画や様々な素材を用いた作品150点が展示されるほか、異なる世代や国籍の35名のアーティストによる70点の作品も展示される。回顧展とテーマ展の二重構成を通じて、1920年代から現在に至るまでのダダイストの源流から最新の表現に至るまで、ポップアートの「感性」を共有する。

開館10周年を迎えるフォンダシオン ルイ・ヴィトンでは本展の他に、デヴィッド・ホックニー展(2025年春)、ゲルハルト・リヒター展(2025年秋)などが予定されている。

松山智一

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Photo: Lisa Kato

1976年岐阜県生まれ、ブルックリン在住。絵画を中心に、彫刻やインスタレーションを発表。アジアとヨーロッパ、古代と現代、具象と抽象といった両極の要素を有機的に結びつけて再構築し、異文化間での自身の経験や情報化の中で移ろう現代社会の姿を反映した作品を制作する。

バワリーミューラルでの壁画制作(ニューヨーク/米国、2019年)や、《花尾》(新宿東口駅前広場、東京、2020年)、《Wheels of Fortune》(「神宮の社芸術祝祭」明治神宮、東京、2020年)など、大規模なパブリックアートプロジェクトも手がけている。近年の主な個展に、「Accountable Nature」龍美術館(上海/中国、2020年|重慶/中国、2021年)、「雪月花のとき」 弘前れんが倉庫美術館(弘前/日本、2023年)、「松山智一:雪月花时」Powerlong Museum(上海/中国、2023年)、「Mythologiques」(ヴェネツィア/イタリア、2024年)などがある。 

フォンダシオン ルイ・ヴィトン

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©Iwan Baan

Fondation Louis Vuitton(フォンダシオン ルイ・ヴィトン)は2014年10月に開館した、建築家フランク・ゲーリーにより設計された美術館。公益性を使命とし、すべての人々にアートと文化を提供することに尽力している。国内外での芸術振興のため、モダンアートや現代アートの企画展を開催し、コレクションの作品を紹介し、アーティストにコミッションワークを依頼するほか、コンサート、パフォーマンス、講演会、映画上映、ダンスなど、文化の幅広い分野にわたるイベントを開催している。

「ポップ・フォーエバー、トム・ウェッセルマン&...」開催概要

会期2024年10月16日(水)〜2025年2月24日(月)
会場フォンダシオン ルイ・ヴィトン
8, Avenue du Mahatma Gandhi Bois de Boulogne, 75116 Paris
URLhttps://tinyurl.com/mrxkcpuj