日常生活や住まいにアートやデザインを取り入れる方法を提案
コンテンポラリーアーティストであるトム・サックス「トム・サックス:店舗体験」が、伊勢丹新宿店90周年に合わせ2023年9月20日(水)から10月23日(月)まで伊勢丹新宿店で開催する。2020年のイセタン ザ・スペースで行った革新的なプレゼンテーション「トム・サックス:店舗体験」に引き続き、伊勢丹のミッションである、日常生活や住まいにアートやデザインを取り入れる方法を提案する。
サックスのアーティストとしての実践において重視するのは、身近であるが妥協のない素材の使用、見てすぐにわかる手仕事の跡、そして儀式的とさえいえる綿密な制作過程。本展ではそのすべてが発揮されており、応接室のための絵画、抹茶用のお茶碗、オフィスへしつらえる椅子、ファッションウィークで着るジャケット、作業リストを作るためのノートブック、パーティーに必須な大型音響システムなど、これらアイテムの一つひとつは、各用途に合わせて丁寧に手作りされた彫刻作品である。
会場と本館ショーウィンドウ11面から、トム・サックスの彫刻による空間プレゼンテーションを体験
過去の展示でも伊勢丹の展示空間と11のショーウィンドウがサックスの彫刻と化したように、今回展示されているモノはすべて、彫刻として位置付けられる。サックスのシグネチャーである合板によって覆われた展示空間は、その空間のために厳選された色から、アメリカのサックスのサプライヤーから取り寄せたネジ一本に至るまで、すべて彼のスタジオの規定に則って完成されたインスタレーションになっている。このインスタレーションは、展示を訪れるすべての人がまるでサックスのスタジオを訪れたかのように感じられるよう、その体験の効果を最大限に狙って考案されたという。
Tom Sachs / トム・サックス
1966年ニューヨーク生まれ。終わりなき革新と破壊の彫刻家として、エンジニアリングやデザインの傑作を精巧に再構築するブリコラージュ作品で知られる。作品では、大量生産品に見られるピカピカのアルミニウムやポリカーボネートに代わり、彼のトレードマークである質実な素材のフォームコアや合板が使用され、工業製品の特性とそれを扱う高度な手仕事のコンビネーションにより制作されている。サックスの作品の中心となるテーマは、アメリカの文化と社会であり、そこにユーモアと皮肉をたっぷりと織り交ぜて扱う。彼は、ラグジュアリーな消費財や国際的なブランドを模倣することで、大企業のエコシステムや「ブランドイメージ」といった概念を遊び心をもって扱い、それをアートの文脈へ取り込むことで変容させる。
「トム・サックス:店舗体験」開催概要
会期 | 2023年9月20日(水)~10月23日(月) ※本館ウィンドウディスプレイ 9月13日(水)~10月10日(火) |
会場 | 伊勢丹新宿店 本館2階 イセタン ザ・スペース |
企画協力 | 小山登美夫ギャラリー |
URL | https://onl.tw/PVU8bsN |