傷と痛みを抱えた人々が、共に生きる方法を模索する
映画監督/アーティスト・石原海の個展「激雷」がGallery & Restaurant舞台裏で2024年10月17日(木)から11月10日(日) まで開催される。本展では、石原がロンドン大学ゴールドスミス校アーティストフィルム学科在学中に制作した新作映像《激雷》(2024)を中心としたインスタレーションの展示となっている。本作はプロデューサーに Oscar Nielsen、主演にヤマダアオイを迎え、全編熊本で撮影された。
《激雷》は日本の架空の小さな山村を舞台にしており、雷が頻繁に落ちることで知られるこの村では、雷に打たれて生き延びた者だけが踊り子になれる地下クラブが秘密裡に営まれている。また、この山村では自然の中に蟹が暮らしており、これらの存在も物語の中で重要な役割を果たし、彼らの運命を左右する存在となる。登場人物たちは、日常の中で起きる落雷のような出来事をきっかけに、人間と生物界との対立や自然現象との共存を探る、という内容。この作品を通じて行われる偶然と必然、自然と人間、そして欲望と危険などの二項対立が交差する瞬間の鋭い描写は、神話や宗教、忍耐と受容のナラティブを現前させる。
石原海(UMI Ishihara)
ロンドンと東京を拠点にする映画監督/アーティスト。社会から疎外された人々やコミュニティを描くことを主なテーマに、個人的な記憶と社会問題を織り交ぜた物語ベースの制作をしている。2018年東京藝術大学 先端芸術学科修了。現在ロンドン大学ゴールドスミス校 アーティストフィルム学科在学中。
近年の主な活動に『スウィート・ホーム・スウィート』(国立国際美術館, 2023)第14回恵比寿映像祭 (東京都写真美術館, 2022) 第15回資生堂アートエッグ入選 (2021) 初長編映画『ガーデンアパート』『忘却の先駆者』がロッテルダム国際映画祭に二作同時選出(2019)BBC/BFI助成作品『狂気の管理人』(2019)を監督。Bloomberg New Contemporaries 入選(2019) 現代芸術振興財団 (CAF賞)岩渕貞哉賞受賞(2015)。
石原海個展「激雷」開催概要
会期 | 2024年10月17日(木)〜 11月10日(日) |
時間 | 11:00~20:00 |
会場 | Gallery & Restaurant 舞台裏 |
休館日 | 月曜 |
URL | https://tinyurl.com/mv77d2k3 |