世界で一番読まれている美術の名著の幻のポケット版

エルンスト・H・ゴンブリッチ著『美術の物語 ポケット版』が河出書房より2024年10月18日に発売される。刊行を記念して、2025年1月末までの期間限定・初回生産分限定で、通常本体価格4,990円(税別)のところを3,990円(税別)の特価での発売となる。本書は1950年の初版刊行以来、70年以上読み継がれている『美術の物語』。現在、日本を含む35か国で出版され、世界累計刊行部数は800万部を超える、世界一読まれている美術本と言われている。

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『美術の物語』と『美術の物語 ポケット版』

英国の出版社・ファイドン社は『美術の物語』の日本版を2007年に刊行、これを携行できるようにコンパクトに再構成した『美術の物語 ポケット版』を2011年に刊行した。しかし、その後いずれも品切れとなり、ファイドン社は日本市場から撤退したことも相まって入手困難化。その後2019年、河出書房新社が『美術の物語』を新装復刊していた。

『美術の物語 ポケット版』の魅力

今回河出書房新社から発売される『美術の物語 ポケット版』は、サイズはファイドン社版の旧「ポケット版」そのままに、表紙は紙から鮮やかな黄色のクロス装に変更。書籍としての強度を上げつつ、優雅な装幀の見た目と触感で存在感が大幅に増している。また、エルンスト・H・ゴンブリッチの孫レオニー・ゴンブリッチによる「ポケット版への序文」が新たに追加掲載された。元本『美術の物語』に比べてページ数こそ668ページから1048ページへと増えたものの、大きさは大判から新書に近いサイズに、また重量は約1800gから約750gへといずれも半分以下にサイズダウンした。

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書籍としては異例の2本のしおり紐をセット

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(左)ピート・モンドリアン『赤、黒、青、黄、灰色のコンポジション』(1920年)、(右)ベン・ニコルソン『1934(レリーフ)』(1934年)

『美術の物語』とは

エルンスト・H・ゴンブリッチによる、原始の洞窟壁画から現代の実験的な芸術にいたるまで壮大なスケールで描きつつ、先史から現代まで1万年にもわたる美術の歴史を“一つの物語”として読み、捉えることができる画期的な書籍。1950年に初版刊行以降ゴンブリッチ自身によって幾度も加筆修正が行われ、現行版はゴンブリッチ生前最後の改訂となり、以降定本となった第16版(1994年改訂)となっている。

  • ラスコーの洞窟壁画から現代アートまで、絶えず変化しながらも繋がっている壮大な美術史のすべてを網羅した決定版。
  • 豊富な美術作品を鑑賞しながら、平易な文体で“物語”を読むように美術史を楽しむことができる。入門・基本書として最高の一冊。
  • 歴史の流れに沿った28の章立てで、時代毎に美術様式や芸術運動を整理。圧倒的な知識を持つ美術史家による充実した解説。
  • 本文内で論じられる美術作品は、必ずその作品の写真を掲載。カラー図版376点、モノクロ図版64点収録。

エルンスト・H・ゴンブリッチ (Ernst H.Gombrich)

20世紀最大の美術史家。1909年、ウィーン生まれ。1936年、ロンドンのウォーバーグ研究所所員となり、1959年から1976年まで同研究所所長兼ロンドン大学古典学科教授を務める。ナイト爵位、メリット勲章、ゲーテ賞、ヘーゲル賞、エラスムス賞など、世界各国で多くの賞を授与された。明確で説得力のある文章を用いるすばらしいコミュニケーターでもあった。その著作は美術史家にとっては最高の手本であり、美術への限りない愛情が反映されたものとなっている。2001年、死去。著書に『美術の歩み』、『芸術と幻影』、『装飾芸術論』、『若い読者のための世界史』など多数。

『美術の物語 ポケット版』書籍概要

著者エルンスト・H・ゴンブリッチ
仕様四六変型判 / 上製・クロス装 / 1048ページ
初版発売日2024年10月18日
ISBN978-4-309-25746-4
URLhttps://tinyurl.com/4ev98j7j