奈良原一高×勝井三雄 写真とデザインの領域で日本を代表する、厚い友情で結ばれたふたりのアーティスト

島根県立美術館では、コレクション展「受贈記念 奈良原一高×勝井三雄」を2022年9月2日(金)から11月28日(月)まで開催する。 写真家・奈良原一高(1931-2020)は、2020年1月19日、88歳の生涯を閉じた。戦後日本の写真を牽引した奈良原は、国際的にも高い評価を得ている。2020年度、島根県立美術館は遺族より305点の作品の寄贈を受けた。

adf-web-magazine-ikko-narahara-shimane-art-museum-2022-5

奈良原一高《塔 Segovia Spain〈ヨーロッパ・静止した時間〉より》1963-65年 島根県立美術館蔵 ©Ikko Narahara Archives

1995年に美術館準備室が設立されて以来、島根県立美術館では松江高校の卒業生でもある奈良原一高を重点作家として、作品の収集や展覧会準備を進めてきた。2010年には、大規模な回顧展「手のなかの空 奈良原一高1954-2004」を企画・開催。そして、今回の寄贈によって、全775点の奈良原一高の全体像を見通せる世界最大規模のコレクションとなった。今回は、新収蔵品のなかから《ヨーロッパ・静止した時間》《ジャパネスク》のシリーズ約110点を紹介。2023年度、2024年度も、引き続き新収蔵品を紹介する。

adf-web-magazine-ikko-narahara-shimane-art-museum-2022

奈良原一高《樹 Paris〈ヨーロッパ・静止した時間〉より》1965年 島根県立美術館蔵 ©Ikko Narahara Archives

adf-web-magazine-ikko-narahara-shimane-art-museum-2022-2

奈良原一高《色〈ジャパネスク〉より》1968年 島根県立美術館蔵 ©Ikko Narahara Archives

一方、日本の戦後デザインを牽引したグラフィック・デザイナー勝井三雄(1931-2019)は、奈良原一高の親友として生涯親交を続けた。2010年に「手のなかの空」展が島根県立美術館で開催されると、勝井は、自らの作品を語る奈良原の文章の美しさに感銘を受けた。それが契機となって、『太陽の肖像 奈良原一高文集』が刊行された。その縁により、日本デザイン史に残るポスターの中から89点、また奈良原と共作したカレンダーを勝井三雄の遺族より島根県立美術館に寄贈されることになった。本展では、その全貌を約100点で紹介する。

adf-web-magazine-ikko-narahara-shimane-art-museum-2022-1

勝井三雄《LITHRONE project the appearance of light-a》2008年 島根県立美術館蔵 ©Mitsuo Katsui

adf-web-magazine-ikko-narahara-shimane-art-museum-2022-4

勝井三雄《Graphic Trial 2012》2012年 島根県立美術館蔵 ©Mitsuo Katsui

adf-web-magazine-ikko-narahara-shimane-art-museum-2022-3

《富士紡績カレンダー 1967》 デザイン:勝井三雄 衣装:森英惠 撮影:奈良原一高 1966年 島根県立美術館蔵 ©Mitsuo Katsui

「受贈記念 奈良原一高×勝井三雄」展概要

会期2022年9月2日(金)~11月28日(月)火曜休館
入場料一般:300円、大学生:200円、高校生以下無料
会場島根県立美術館 コレクション展示室4・5
時間9月 10:00~日没後30分(展示室への入場は日没時間まで)10・11月 10:00~18:30(展示室への入場は18:00まで)
URLhttps://www.shimane-art-museum.jp/