奥田元宋の生誕110周年を記念して

山種美術館では戦後の日本画壇を牽引した奥田元宋(おくだげんそう)の生誕110周年を記念し、元宋とその活躍の舞台となった日展の画家たちの作品を紹介する展覧会を2022年4月23日(土)から7月3日(日)まで開催する。元宋は広島に生まれ19歳で上京し、遠縁にあたる同郷出身の日本画家・児玉希望(こだまきぼう)に入門。1936年日展の前身である文展(文部省美術展覧会)に初入選、以後新文展、日展へと出品を重ね、日展の審査員や理事長も務めた。

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奥田元宋《玄溟》 1974(昭和49)年 紙本・彩色 山種美術館

画業初期は主に人物画を中心に制作し、1944年郷里への疎開を契機に風景画を描くように。戦後は「元宋の赤」とよばれる赤を基調に雄大な自然を描いた独自の風景画を確立した。また和歌にも秀で1981年には宮中歌会始の召人に選ばれている。本展では「元宋の赤」が際立つ《玄溟(げんめい)》、古希を過ぎてから取り組んだ大作である《奥入瀬(秋)》ならびに《奥入瀬(春)》を同時に公開するほか、宮中歌会始の際の和歌を記した作品も展示する。さらに日展の前身である文展、帝展(帝国美術院美術展覧会)以来の官展の歴史を振り返りながら、帝展時代から活躍した福田平八郎をはじめ、川合玉堂の第1回日展出品作、元宋の師である児玉希望、「日展三山」と称された東山魁夷、杉山寧、高山辰雄のほか山口蓬春、山口華楊など日展で活躍した名だたる画家たちの優品とともに20世紀の日本画壇をリードしてきた人気作家たちの足跡をたどる。

本展のみどころ

元宋の代表作《奥入瀬》の「秋」と「春」を10年ぶりに同時公開

元宋が古希を過ぎてから取り組んだ大作《奥入瀬》の「秋」(1983年)と「春」(1987年)を同時展示。迫力ある画面が展示室に広がる。

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元宋の代表作に加え巨匠たちの名品が揃う

文展、帝展、日展で活躍した川合玉堂、松岡映丘、福田平八郎、東山魁夷など巨匠たちの優品が一堂に会す。

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山口華楊《生》

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東山魁夷《緑潤う》

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川合玉堂《山雨一過》

【特別展】生誕110周年奥田元宋と日展の巨匠―福田平八郎から東山魁夷へ―開催概要

会期2022年4月23日(土)から7月3日(日)まで
会場山種美術館
開館時間月曜日 ※5/2(月)は開館
入館料一般1,300円、大学生・高校生1,000円、中学生以下無料