架空の生命体をグルーガンアートで表現
オフラインとしてのギャラリーとデジタルプラットフォームで現代アートの販売・プロモーションを手がけるYUGEN Galleryは音美衣杜と合同で、2022年11月26日(土)から12月1日(木)まで麟太郎の個展「憧想生命」を開催する。造形作家の麟太郎は幼少期より特撮作品に登場する怪獣たちや動物型メカ「ゾイド 」といった架空の生命体の玩具で遊ぶ中、自分だけの架空の生命体を作れないかと想いを馳せてきた。
そんな麟太郎が制作しているのは、グルーガン(熱可塑性樹脂)を素材としたグルーガンアート作品。自身の想像をすぐに形にしたい彼にとって、どんな凹凸面のもの同士でも接着でき、すぐに固結するグルーガンはまさに打って付けの素材だったといえる。生命体を形作るさまざまなパーツを制作したうえでそれらを可能な限り即興的に組み合わせ、自身のイメージと憧憬を反映させた架空の生命体を創造している。そうして架空の生命体のシルエットを追求しその生命力を表現するうち、麟太郎は自然そのものが宿す神秘の力に気付き、それに対して畏怖の念を強く抱くようになる。その結果として近年の彼の作品には自然とは逆行する消費社会への警告が反映されている。
本展「憧想生命」では架空の生命体を表現した作品のほか、麟太郎の代表的作品の一つである「黄金の茶室」シリーズも展示。本シリーズは中身が空洞となった網目状のグルーガンに漆と純金を用いた高級感のある装飾を施すことで、物体の形状が持つ価値と中身の空虚さを対比させている。立体作品を制作する中から派生的に生まれた半立体的な平面作品の数々も本展で初公開。それらは脳や心臓といった生命の根幹を成す臓器の形状に着目した麟太郎が普段見ることのできない臓器の神秘的なシルエットと、それら臓器の重要性を軽視する人々の空虚な内面を対比させた作品群となっている。
麟太郎 / Rintaro
1994年東京生まれ。グルーガン(熱可逆性樹脂)を使った実験的手法によって、「空想と憧憬」をテーマに作品を発表している。東京造形大学インダストリアルデザイン科を卒業した後単身パリへ渡り、Ecole-Boulle国立工芸学校にてデザインを学ぶ。在学中に多くのフランス人アーティスト達と交流していく中で、自身も作家として作品の発表を始める。現在は日本を拠点に百貨店やアートフェアへの参加など広く活動している。2018年、フランスのアート誌Spotlight -Contemporary art magazine-にて「国際的称賛を受ける56人のアーティスト」に選出、パリで開催された自身初となる個展「RINTAROMIZUGUCHI EXPOSITION -Colonie de Lumiere-」は日仏友好160周年事業ジャポニスム2018の認定企画に選出される。作家辻仁成氏主催の「第3回アート&デザイン新世代賞」では立体書道作品を発表し最優秀賞を受賞。
YUGEN Galleryについて
ジーンの運営する現代アートギャラリー。当社オフィスに併設されるオフラインギャラリーとオンラインギャラリーから構成され、現代アートの販売・プロモーションを実施するためのプラットフォームとして機能。オンラインギャラリーについては、日本語、英語、中国語のマルチリンガルに順次対応予定となっており、国内現代アート作品・作家のプロモーション、作品販売をグローバルに展開していく。
麟太郎の個展「憧想生命」開催概要
会 期 | 2022年11月26日(土)から12月1日(木)まで |
会 場 | YUGEN Gallery(東京都渋谷区渋谷2-12-19 東建インターナショナルビル3F) |
開館時間 | 月〜金 14:00〜19:00 土・日・祝 13:00〜19:00 |
作家在廊日 | 11月26日(土)、27日(日)、30日(水)、12月1日(木) |
入館料 | 無料 |