ミラノ トリエンナーレとカルティエ現代美術財団が、ギジェルモ・クイッカ監修の「Les Citoyens(市民)」展を開催

カルティエ財団のコレクションから、アルゼンチンのアーティスト、ギジェルモ・クイッカが選定した120の作品を展示する「Les Citoyens(市民)」展が開催される。ミラノ トリエンナーレカルティエ現代美術財団の主催で、2021年5月6日から9月12日の期間に実施。両機関のパートナーシップのもと開かれる2回目の展覧会となる「Les Citoyens」展は、ユニークなコレクションの記憶をアーティスト独自の視点を通してたどる旅を提示し、集合体、集団、共同体の概念を探っていく。adf-web-magazine-fondation-cartier-les-citoyens-1

クイッカは、独自の観点から、インスタレーション、絵画、彫刻、陶磁器、映像、素描を展示し、時に他者や世界との関係において人物像が表現される、作品、アーティスト、動物、オブジェで構成されるコスモロジー(宇宙観)を創出する。ほとんどがイタリア初展示となる多種多様な現代作品を通じて、集団、集合体、共同体の概念を探っていく。

本展では、ギジェルモ・クイッカが作品の選定をするだけでなく、トリエンナーレの建築と自らの絵画の世界観と共鳴するよう空間デザインを行った、1つの総合的作品である。アーティスト自身がかたちづくることで、展覧会そのものがひとつの作品となる。

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Agnès Varda, Les Veuves de Noirmoutier, 2004-2005 © Agnès Varda Photo © Jorge Miño

さらに、本展では、同時代を生きる人々を眺めるアーティストの視線を通して、アンサンブルとまとまり、集団と共同体のそれぞれの概念が互いに調和し合う道筋をたどる。作品、アーティスト、動物、オブジェが織りなすコスモロジー(宇宙観)を見いだす本展は「太陽のない太陽系に似ている」と語るギジェルモ・クイッカは、テーマや中心や階層はなく「感覚と感動のネットワークを紡ぎ出す」つながりで構成された旅を想定している。

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Daido Moriyama, Polaroid Polaroid, 1997 © Daido Moriyama

カルティエ現代美術財団のコレクション

カルティエ現代美術財団は、企画展、ライブパフォーマンス、講演会といったプログラムを通じて現代美術を世界各国のオーディエンスに広めることをミッションとする民間文化機関。メゾン カルティエによって1984年に設立された財団は、パリにある、建築家ジャン・ヌーヴェルによって設計された建物にあり、アーティストのための創造的な空間にして一般市民との出会いの場となっている。財団の創設と共に始まったコレクションは今や、50カ国500人のアーティストによる2000点以上の作品を含み、際立つ存在となっている。コレクションの大半は、カルティエ財団のプログラム編成の一環として展示される作品や、財団からアーティストに制作依頼した作品からなっている。

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David’s Living Room Revisited, 2014-2021 © Guillermo Kuitca Photo © Olivier Ouadah

ギジェルモ・クイッカについて

1961年にアルゼンチンのブエノスアイレスで生まれ、現在もそこを拠点に活動。1974年に初の個展を開催。1980年代には、建築、演劇、地図作成といった一連のテーマを深め、以来、これらは彼の作品の主要な焦点となっている。カルティエ財団のコレクションに基づく3つの大規模な展覧会プロジェクト、「Les Habitants」展(パリ、2014年)、「Les Visitants」展(ブエノスアイレス、2017年)、「Les Citoyens」展(ミラノ、2021年)を財団より依頼される。

「Les Citoyens」開催概要

会期2021年5月6日~9月12日
会場Triennale Milano