Tokyo Tokyo FESTIVALスペシャル13のひとつとして主催された現代アートチーム 目[mé]が企画する《まさゆめ》
《まさゆめ》は、年齢や性別、国籍を問わず世界中からひろく顔を募集し、選ばれた「実在する一人の顔」を東京の空に浮かべるプロジェクト。各地の国際芸術祭や展覧会で独創性と創造性に満ちた作品を発表し、話題をさらってきた現代アートチーム目[mé]のアーティストである荒神明香が中学生のときに見た夢に着想を得ており、見なれた空に巨大な顔が浮かぶという圧倒的な風景が東京に2021年7月16日(金)6:00から20:00まで出現した。
当プロジェクトは、「出会った方それぞれの主体的な体験として作品を届けたい」というアーティストが本作品に込めたコンセプトを実現するべく浮上日時や場所を事前には公表せずに実施した。偶然作品に出会うことも、作品を成立させる大事な要素の一つ。《まさゆめ》は同じ場所に集まらなくても、それぞれの場所、時間、環境で体験、共有できる作品として、ライブ配信や SNS、マスメディアなど、様々なチャンネルを通じて多様なかたちで出会うことが可能。浮上した顔の大きさはビル6〜7階分、顔のモデルや浮上方法は作家の意向により非公開となっている。
アーティスト・ステートメント
唐突に巨大な顔が東京の空に浮かぶ。
「当時14 歳のどこにでもいる日本の少女が見た夢」のごとく、 はっきりとした理由が添えられることのないまま、日常を一瞬無化するように、前もって予告することなく、突如として実施する《まさゆめ》。この実在する誰かの顔は、SNSやメディアを通して、様々な場所から多くの視点によって眺められることになるだろう。そして、その顔はこのパンデミックの空から私たちを見返している。まるで、この状況に加担しているのは紛れもない私たち自身であるというように。《まさゆめ》は、この困難と向き合い続ける。何かを見出すその時に向けて、どんな時も想像を続けそれを分かち合いたい。
現代アートチーム 目[mé] プロフィール
目 [mé] アーティスト荒神明香(写真・中)、ディレクター南川憲二(同・左)、インストーラー増井宏文(同・右)を中心とする現代アートチーム。 個々の技術や適性を活かすチーム・クリエイションのもと、特定の手法やジャンルにこだわらず展示空間や観客を含めた状況 / 導線を重視し、果てしなく不確かな現実世界を私たちの実感に引き寄せようとする作品を展開している。代表作に、個展「たよりない現実、この世界の在りか」(資生堂ギャラリー、2014年)、《おじさんの顔が空に浮かぶ日》(宇都宮美術館 館外プロジェクト、2013-14年)、《Elemental Detection》(さいたまトリエンナーレ 2016)、《repetitive objects》(大地の芸術祭 越後妻有アート トリエンナーレ2018)、《景体》(六本木クロッシング2019展:つないでみる、森美術館、2019年)、個展「非常にはっきりとわからない」(千葉市美術館、2019年)、などがある。第28回(2017年度)タカシマヤ文化基金タカシマヤ美術賞、VOCA展2019佳作賞受賞。2021年は個展「ただの世界」(SCAI THE BATHHOUSE、7月6日〜8月7日)にて新作を発表。