ネガティブな遺産から生まれた記憶を美しく蘇らせるアート「プリズム」
第二次世界大戦まで軍が使用していた「猿島」で開催されたアートイベントに、博展がインスタレーション「プリズム」を展示し、砲台の跡地など、今でもアクセスできる遺跡が残っている島内で、夜景のように美しく色鮮やかな光で島の過去の名残を蘇らせようとした。
博展は、まず島の輪郭と銃の据え付け場所に基づいてビーチを計画し、次にビーチにプリズムを配置した。訪問者は砂の上に座り、光を操作し、独自のスタイルでビーチを撫でる。するとビーチを覆う多数の光の連鎖が生じる。プリズムの光が砂の内外を照らし、見ている人の心を照らす。真っ直ぐな光が当たると、プリズムの性質が色とりどりの光に分散する。川の向こう側にある横須賀の遠い夜景と相まって、作品の美しい光が猿島に刻まれた思い出を生き生きと蘇らせる。インスタレーションを通じ、場所や物の記憶が発掘される。日中はプリズムが見え、島の輪郭が現れる。
このインストールでは、最小限の材料が使用された。スタンドは再生可能な木材で作られ、仕上げは地元の砂で作られている。ライトとプリズムは保管され、来年の設置に使用される。
本インスタレーションは約1ヶ月の展示期間を経て徐々に完成した。最終的には砂に埋もれて風景の一部になるように設計された。インスタレーションを見に来た多くの人々で地域が活性化した。歴史のネガティブな記憶のいくつかは、アートとデザインの力によって美しく変化した。海外からの訪問者や地元の人々にとって、このインスタレーションは人々の歴史に対する理解を変える力を持っている。
この作品は戦争を美化することを目的としていない。博展は過去の記憶を忘れないため、さまざまなアートやデザインの表現を通して、またネガティブな遺産から生まれた記憶を美しく思い出させるように、この作品を世界に広めたいと考えている。
博展について
博展は、人々の対面の「場所」と「直接体験」の価値を高めることを目的に、コミュニケーションに関連するさまざまな「表現」、「手段」、「空間」をデザインしている。世界的なコミュニケーションの分野で新しい可能性と革新を開発することを目指し、より良い「コミュニケーションデザイン」を提供することで、人間の感性によって力を与えられた豊かな社会の創造に貢献することを使命としている。