パリで時空を超えたショートトリップ

オノデラユキ個展「Parcours - 空気郵便と伝書鳩の間」がWAITINGROOMで2024年11月2日(土)から12月8日(日)まで開催中。オノデラはパリを拠点に活動するアーティストで、本展は「アートウィーク東京2024」参加展示となっている。

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《ハトは原寸大の地図を見て飛ぶのか》2024、ゼラチンシルバープリントにアクリル絵具、730×790 mm

今回展示される新作群は、会場となるギャラリーが郵便局跡地であることに着想を得て制作が始まった。「通信」「情報伝達」をテーマに、オノデラの居住地であるパリと東京のギャラリーを繋ぎ、別の空間や過去と現在という別の時間軸が、通信システムを起点に重なり合うような手法で制作された。2mを超える縦長の大型プリントから、切手が貼られ消印も刻印されたハガキサイズの小さなプリントまで、多岐にわたる郵便をテーマにした作品が約40点ギャラリー手前から奥のさらに奥のスペースまで、1本の赤い線で繋がれて展開されている。

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空気郵便のネットワーク

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パリの地下、あちこちに設置された迷路のような金属管

パリで1868年から1984年まで営業されていた、地下を縦横に走り巡る物理的郵便物ネットワークである「空気郵便」。この古典的なネットワークを現在のパリの地図上に照らし合わせ、それぞれの基地局をつなぐ線に沿って撮影を敢行。そしてもうひとつの古典的な伝達手段である伝書鳩にも思考を馳せ、現在と過去を行き来して制作されたコラージュ作品が出来上がった。

オノデラユキ

東京都生まれ。1993年よりパリにアトリエを構えて世界各地で活動。写真を中心的な手段としながらも、カメラの中にビー玉を入れて撮影するなどタブーとされるようなことも自由に乗り越えて制作するコンセプチュアルなアーティスト。事件や伝説から構築された世界観は物語的で、型にはまらないユニークな発想で独創的なシリーズを数多く発表している。作品はポンピドゥ・センターを始め、サンフランシスコ近代美術館、ポール・ゲッティ美術館、上海美術館、東京国立近代美術館、東京都写真美術館など世界各地の美術館にコレクションされている。主な個展は、国立国際美術館(2005)、国立上海美術館(2006)、東京都写真美術館(2010)、ソウル写真美術館(2010)、フランス国立ニエプス美術館(2011)など。

オノデラユキ個展「Parcours - 空気郵便と伝書鳩の間」開催概要

会期2024年11月2日(土)~12月8日(日)
時間12:00~19:00
会場WAITINGROOM
休館日月火祝日
URLhttps://tinyurl.com/ycrdc5bp