ロンドンアートシーン|London Summer Intensive 2019
こんにちは、今回の投稿では8月にロンドンでレジデンシーに参加した模様をレポートします。今回参加したプログラム“The London Summer Intensive 2019”は今年で5年目と比較的新しいプログラムで、ロンドン市内の芸術大学の一つSlade School of Fine ArtとCamden Art Centerが共催で毎年夏に開催しています。毎年参加国は異なりますが今年はイギリス、日本、カナダ、南アフリカ、コロンビアやイランなど様々な国から年齢や制作ジャンルを問わず異なるステージで活動するアーティスト20数名が参加しました。期間中にアーティストトークやスタジオ訪問、グループ展の参加などが企画されていました。初日にそれぞれの参加者が簡単なプレゼンテーションを行い、その後は割り振られたスタジオのスペースで制作しますが、スタッフや他のアーティストとの交流も盛んに行われ、和やかな雰囲気で毎日制作に励むことができました。基本的には制作中心の4週間ですが、自由に個人のペースで活動でき、ロンドンで活躍するアーティストのスタジオ訪問や、Camden Art Centerでの”Work in Progress”と題したグループ展に参加出来ます。少し環境を変えて制作しながらロンドンで作品展示したい方や、芸術系の海外大学院の受験準備をされる等にもおすすめできるプログラムだと感じました。
8月中の展示で終了している展覧会も多いですが、レジデンシー参加中にロンドン市内や近郊の美術館やギャラリーも訪れたので簡単にレポートします。先ずは、この春から開催されていた大英博物館の漫画展 ”The Citi exhibition Manga”を訪れました。日本の漫画史を初期から現在に至るまで順を追って観ることが出来、系統的に展示されていたので、私のような漫画に詳しくない一般人や海外で漫画を全く知らない方でも、簡単に漫画の歴史をたどることが出来、身近に感じることができる素晴らしい空間だと感じました。終了間際にも関わらず、会場は大勢の人で賑わっていました。
次にロンドン東部のWhite Chapel Galleryで行われていたイラク系アメリカ人Michael Rakowitzの個展が印象に残っています。入口に展示されていた作品で、ミズーリ州で戦後日本人建築家により建築デザインされた総合住宅がアメリカの人種問題を背景に荒廃し完成を待たず解体された歴史を大型バルーンで再現したインスタレーションに強いインパクトを感じました。
イギリス南部の港町Hastingではコペンハーゲンの画家Tal Rの個展“EVENTUALLY ALL MUSEUMS WILL BE SHIPS”が開催されていました。今回の個展では昨年から今年の新作や多くのドローイング作品が展示されているのが印象的でした。
また、その近郊のBexhillという町のギャラリーでChicago Imagistの大規模な回顧展”HOW CHICAGO! IMAGISTS 1960S & 70S”が開催されていました。Chicago Imagistは60年半ばから70年代までNYで発展していた商業主義的なポップアートとは異なる形でHairy Whoを始めとした一連のグループや個人のアーティストを中心に独自に発達していきました。展示作品には絵画やプリント作品、彫刻など数多くの作品が展示されていました。
今回はこの辺で。また次回アーティストのインタビュー等アップしたいと思います。