ホワイトストーンギャラリーが二川芸術のサスティナブルな新局面にフォーカス

ホワイトストーンギャラリー銀座新館オンラインギャラリーでは、二川和之の個展「地球は人間がいなくても困らない」を2022年1月21日(金)から2月19日(土)まで開催する。人間心理に去来する内なる風景と実在する自然との共生を実現した本展では、二川芸術のサスティナブルな新局面が堪能できる。

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二川和之《Memory 50-2, 2021》

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二川和之《Memory 10-1, 2021》

日本画の技法を継承しつつ、岩絵の具を精緻に用いる二川によれば、自然の美を表現できるのは岩絵の具だけだという。度重なる塗り込みの後でも油彩ほど重くなく、水彩とは明らかに異なり、絵柄は蝉の羽のような繊細さをもつ。またしばしば金彩と金箔の技法を創作へ盛り込む二川の芸術は明度により様々な表情を見せる。西洋的な光と影のスタイルを採り入れ、因襲的な日本画の平坦さには遠近法とテクスチュアが付与。静謐な風景のただなかで、作家本人の眼に映った光景を誠実に描き出す。

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二川和之 《Memory 6-2, 2021》

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二川和之《Memory 6-1, 2021》

二川和之/ Kazuyuki Futagawa

1978年東京藝術大学大学院を修了したのち30代半ばから風景画に絞って作品を発表する。現実感に満ちた生々しい空間を描いた作品の数々は、ロシアをはじめ海外の展覧会でも高く評価されている。伝統的な日本画の技法を継承しつつ、対象の確固たる存在感を岩絵の具の重ね塗りで細心に描き出し、静かな風景の中で深さを極めるべく、遠近感や質感そして物の存在感を偽りなく表現した作品にはリアリズムを越えてさらに美しく輝く心象風景へと昇華する。近年では墨の濃淡を活かした写実的な新領域を開拓。深い称賛をもって迎えられた二川の新たな試みの代表作《秒差二態》は2013年の損保ジャパンFACE展において優秀賞を受賞した。

二川和之の個展「地球は人間がいなくても困らない」概要

会期2022年1月21日(金)から2月19日(土)まで
会場 ホワイトストーンギャラリー銀座新館(東京都中央区銀座6-4-16 )
営業時間11:00~19:00
休館日日曜、月曜