寸法効果の概念に着目
大山エンリコイサム展「Scale/Effect」が京都 蔦屋書店で2024年4月5日(金)から4月23日(火)まで開催される。大山はストリートアートの一領域であるエアロゾル・ライティング (NYのストリート文化から発展した、自分の名前をアートとして描画する表現文化)のヴィジュアルを再解釈したモティーフ「クイックターン‧ストラクチャー」(以下 QTS)を起点にメディアを横断する表現を展開しているアーティスト。国内外で注目を集めている。
今年1月にNADiff Gallery(東京‧恵比寿)で行われた個展では、QTSを自律するブックエンドとして三次元化し、書物とのあいだに生じる相互作用によって空間の変容を試みた。今回、大山はかたちが同じでも大きさが違うと物体の特徴が変化する「寸法効果(scale/effect)」の概念に着目、拡大と縮小を通してQTSを表現し、再解釈している。会場には絵画作品とともに、大型の立体作品や、絵画作品のひとつ《FFIGURATI #616》を238個の小型キューブに分解して再構成した新作の平面作品などが並び、スケール横断の効果を体現する構成となっている。
大山エンリコイサム プロフィール
美術家。ストリートアートの一領域であるエアロゾル・ライティングのヴィジュアルを再解釈したモティーフ「クイックターン・ストラクチャー」を起点にメディアを横断する表現を展開。イタリア人の父と日本人の母のもと、1983年に東京で生まれ、同地に育つ。2007年に慶應義塾大学卒業、2009年に東京藝術大学大学院修了。2011~12年にアジアン・カルチュラル・カウンシルの招聘でニューヨークに滞在以降、ブルックリンにスタジオを構えて制作。これまでに大和日英基金(ロンドン)、マリアンナ・キストラー・ビーチ美術館(カンザス)、ポーラ美術館(箱根)、中村キース・ヘリング美術館(山梨)、タワー49ギャラリー(ニューヨーク)、神奈川県民ホールギャラリー、慶應義塾ミュージアム・コモンズ(東京)などで個展を開催。『アゲインスト・リテラシー』(LIXIL出版)、『ストリートアートの素顔』(青土社)、『ストリートの美術』(講談社)、『エアロゾルの意味論』(青土社)などの著作を刊行。『美術手帖』2017年6月号を企画・監修したほか、コム デ ギャルソン、シュウ ウエムラ、JINS、アウディなどの企業やブランドとコラボレーションを実施。大相撲令和4年1月場所では、横綱照ノ富士の「三つ揃え化粧廻し」にアートワークを提供し、話題となった。2023年3月に東京・天王洲で開催されたアートフェア「RE:FACTORY」ではアーティスティック・ディレクターを務め、多角的に仕事をする。2020年には東京にもスタジオを開設し、現在は二都市で制作を行なう。
大山エンリコイサム「Scale/Effect」開催概要
会期 | 2024年4月5日(金)~4月23日(火) |
時間 | 11:00~20:00 ※最終日のみ17時閉場 |
会場 | 京都 蔦屋書店 5F エキシビションスペース |
主催 | 京都 蔦屋書店 |
料金 | 無料 |
URL | https://tinyurl.com/6nt2xd63 |