ヘラルボニーがプロデュースした映像作品もOfficial Music Videoとして同時公開
福祉実験カンパニー ヘラルボニーのプロジェクト「ROUTINE RECORDS」の第一弾として金沢21世紀美術館で開催した「lab.5 ROUTINE RECORDS」展で、Kan Sanoが13人のルーティン音をもとに創作を手がけた楽曲「Pマママ」が、origami PRODUCTIONSより2023年9月6日にデジタルリリースされた。同展で展示され、楽曲の音源を生み出したルーティナー(「繰り返し行動」を持つ知的障害のある人々のこと)の日常を映した映像作品も、Official Music VideoとしてKan SanoのYouTubeチャンネルにて同時公開される。
曲のインスピレーションは謎の言葉「Pマママ」
本曲「Pマママ」は、プロジェクトの一環としてヘラルボニーからオファーを受けた音楽プロデューサー / キーボーディストのKan Sanoが、プロジェクトチームと共に金沢市内の福祉施設や特別支援学校を訪問し、日本各地から集めた13人のルーティン音をもとに創作した楽曲。曲のタイトルは、訪問した施設の壁に飾られていた、本曲のルーティン音にも起用されている高野圭悟さんが短冊に書いた謎の言葉「まっすぐみぎの生まれてきたんだよPマママ」からインスピレーションを受けて楽曲を制作したことから名付けられている。本曲を通じて、知的障害のある人の日常音が音楽として昇華され、より多くの人へルーティナーの「異彩」が届くことで、知的障害への前向きな認知や理解へ繋がることを期待する。
Kan Sano
キーボーディスト / トラックメーカー / プロデューサー。バークリー音楽大学ピアノ専攻ジャズ作曲科卒業。ビートミュージックシーンを牽引する存在である一方、ジャズとクラシックを融合したような独自のスタイルでピアノ一本の即興演奏もおこなう。また、リリースした楽曲「On My Way Home」「DT pt.2」「Sit At The Piano」それぞれの再生回数が1,000万回を突破。日本人音楽家としての存在を確立する中、イギリスの名門レーベル、デッカ・レコードから日本人として初リリース。さらに、プロデューサー、キーボーディスト、リミキサーとして、Chara、UA、平井堅、絢香、m-floなど多数のアーティストのライブやレコーディングへも参加、CM音楽や劇伴も数多く担当している。
ROUTINE RECORDS
知的障害のある人が過ごす日常で繰り返される「音」に着目し、社会へ届ける実験的な音楽レーベル。彼らの行動習慣にまつわるさまざまな音を聴取 / 音源化し、鑑賞者がそれらを用いて自ら音楽を生み出す体験や、プロによるオリジナル曲の作曲を通して、普段触れることの少ない知的障害のある人とわたしたちの垣根なき日常を繋ぐ。音を通して彼らの異彩を世界に放ち、人々の福祉、知的障害へのパーセプション(認知)に前向きな変化を起こすこと。そして、そのための次のステップへ進むことを目指す。
ヘラルボニー
ヘラルボニーは「異彩を、放て。」をミッションに掲げる、福祉実験カンパニー。国内外の主に知的な障害のある作家と契約を結び、2,000点を超える高解像度アートデータの著作権管理を軸とするライセンスビジネスをはじめ、作品をファッションやインテリアなどのプロダクトに落とし込む、アートライフスタイルブランド「HERALBONY」の運営や、建設現場の仮囲いに作品を転用する「全日本仮囲いアートミュージアム」など、福祉領域の拡張を見据えた多様な事業を展開している。