住民との交流、地域のリサーチに取り組みながら作品制作を行った5名のアーティストによる展覧会

地域の将来を想像する展覧会「現代地方譚11」が、すさきまちかどギャラリー / 旧三浦邸で2024年1月20日(土)から2月18日(日)まで開催する。「現代地方譚」(げんだいちほうたん)はさまざまなジャンルの表現者が地域に滞在し、リサーチや作品制作を行う取り組みで、毎年現代美術のアーティスト、音楽家や演劇人を招いた創作を行い、今回で11度目の開催となる。adf-web-magazine-contemporary-regional-tales-11-1

今回のテーマは「郷と土のはなし」。日曜日の街路市で野菜や花を売るおばあちゃんとの会話の中で聞いた「年々、野菜もきれいに育たんなった。地球が土が変わってきたことがわかる」といった言葉が発端となった。効率や利便性ばかりを求めては損なわれてしまう地域の魅力を探り、このまちで暮らしをどう営み、何を次世代へ伝えるのか。生活の土台と言える"土"に焦点を当て、アーティストたちのユニークな視点を拠りどころに考え、これからのまちづくりを語り合うことを目指すプログラムとなる。

アーティスト・イン・レジデンス須崎滞在作家による成果発表展示

アートを端緒にまちの魅力と課題を探る。独自の視点を持つ芸術家が須崎市に一定期間滞在し、住民との交流、地域資源の活用に取り組みながら作品制作を行い、その成果を展示・発表する。

参加アーティスト

諌山元貴 | いさやまげんき プロフィール

広島県を拠点に活動。磁器などの材料となる白土を使用し、様々な既製品を複製。焼かずに水の中に沈め、しだいに形が崩れてゆく様子を撮影する。作品は大正期の商家建築の格子窓に映像を投影。日没から夜明けにかけてのみ鑑賞できる作品が夜の須崎のまちを彩る。adf-web-magazine-contemporary-regional-tales-11-4

oono yuuki | おおのゆうき プロフィール

高知市で青春時代を過ごしたミュージシャンoono yuuki。東京に拠点を移した後も、度々帰高しライブ活動を行う。初期の楽曲には懐かしい高知の情景が織り込まれている。展覧会参加中、市内に残る廃銭湯の音響に着目し、提供されたオブジェクトを用いて鑑賞者が体験できる巨大な装置を制作する。adf-web-magazine-contemporary-regional-tales-11-8

岩谷雪子 | いわたにゆきこ プロフィール

身近な植物や種子を採集し、最小限の手を加えて繊細なアート作品へと昇華させる。地域との人脈を広げることで今回のリサーチを充実したものにした。安和地区の「ジンデ池」は埋め戻される計画であったが、地域の少年による調査で希少種が多く生息することがわかり、保存されることとなった。自然を介して広がる人と人との繋がりを通じて地域の解像度が高まることを実感する。adf-web-magazine-contemporary-regional-tales-11-9

是恒さくら | これつねさくら プロフィール 

アラスカの先住民のものづくりや、オスロ大学の海洋文化研究チームの一員としてノルウェーに滞在するなど、美術家として独自の経歴を持つ。捕鯨技術の変遷、鯨肉・油の資源活用から工芸など生活への応用、信仰や儀式、民話などに残る人との精神的な繋がりをドローイング、刺繍、立体、冊子などの様々なアプローチで紹介。adf-web-magazine-contemporary-regional-tales-11-13

阪上洋光 | さかうえひろみつ プロフィール

大阪で劇団を主宰。コロナ禍以後、休止状態にあった公演活動をここ須崎で再開させようと試みた。自身を種に見立て、本拠地から離れた場所でどのように芽吹かせることができるか。未知への期待を込め、トライアウト公演と称し会場や演出を変えながら稽古やリハーサルも公開して臨んだ実験的な演劇の記録を展示する。adf-web-magazine-contemporary-regional-tales-11-14

須崎滞在作家による成果発表展示

会期2024年1月20日(土)から2月18日(日)まで
時間10:00 ~ 17:00
場所すさきまちかどギャラリー / 旧三浦邸