地下空間に広がる誰も見たことのない都市
アーティスト・清川あさみが原画・制作監修の大型ステンドグラスのパブリックアート「Our New World(Toranomon)」が2023年7月15日(土)から東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅にて公開中。
「見た事ないあり方のステンドグラスで地下であっても動きのある世界を表現したい。人も景色も未来に向かって移ろっていく。その移ろいを表現したい。」そのような想いをもって大型のステンドグラスを手掛けた清川あさみは、今までに訪れた世界中の都市や新しい虎ノ門エリアの風景を集めて、誰も見たことのない新たな都市を創造した。見る角度によって見え方が変わる効果を取り入れることで、無数のイメージからなるそれぞれの都市の歴史や文化の多様性とその重なりが浮かび上がる。地下空間に広がる誰も見たことのない都市「Our New World (Toranomon)」は、近代的かつ「駅まち一体」となった虎ノ門ヒルズ駅と結びつき、新たな虎ノ門の街とつながって、共存していく様を表現している。
清川あさみは2か月かけて原画の段階からアイデアを出しながら監修。鉛桟を使わない、「視覚的に動きを感じる新しいステンドグラスの在り方」について試作を重ねた。静岡県熱海市のクレアーレ熱海ゆがわら工房の7人のステンドグラス職人が、約8カ月かけて制作した。縦約2.7メートル、横約6.0メートルの大きさで、ガラスは全243種類、3,351ピースを使用。加えて、ステンドグラスの上に見る角度によって見え方が変わるレンチキュラー効果の高いレンズの型ガラスを重ねて、立体感や動きを出している。
なお、本作品は日本交通文化協会が手掛けるパブリックアートとして557作品目。
清川あさみ
兵庫県生まれ、現在は東京を拠点に活動。90年代より雑誌の読者モデルとして注目を集め、2000年代には文化服装学院にて服飾を学びながら、「ファッションと自己表現の可能性」をテーマにアーティストとしての創作活動を開始し国内外で多数の展覧会を開催し、その活動は常に高い注目を集めている。写真や雑誌、本や布に刺繍を施す独自の手法を用いた作品で知られ、代表作として「美女採集」「Complex」「TOKYO MONSTER」などのシリーズがある。個展や世界各地のグループ展やフェアに参加、近年は表現・活動の領域を広げ広告、映像、空間、プロダクトデザインなどのクリエイティブに携わるとともに、絵本の制作や地方創生事業にも取り組む。
「Our New World (Toranomon)」作品概要
設置場所 | 東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」地下2階 改札内コンコース |
規模と仕様 | 約2.7m x 約6.0m、LED内蔵のステンドグラス |
原画・制作監修 | 清川 あさみ |
協賛 | 森ビル株式会社、公益財団法人メトロ文化財団 |
ステンドグラス制作 | クレアーレ熱海ゆがわら工房 |
企画制作 | 公益財団法人日本交通文化協会 |