アーロン・ニューベルト・アーキテクツによる、プライバシー空間と開放空間が共存する海辺の家
カリフォルニアの岸辺にある丘の280㎡ほどの広さの私有地に建つ「ラップ・リセス・ハウス」は、2021年に完成した一軒家。滑らかな石膏とシダーウッドのサイディングが各部屋と庭を包み込むように囲った外観が特徴的である。空間を広く見せるよう戦略的に配置された部屋や庭など、コンパクトな敷地を最大限に活かす工夫が凝らされている。ロサンゼルスの建築デザイン事務所、アーロン・ニューベルト・アーキテクツがデザインを手掛けている。
1階の中心には、オープンスペースのリビングが配置されている。リビングは、屋外に直接アクセスできる2つの中庭に繋がっており、充分な自然光が降り注ぐ明るい空間で、周囲の海岸の景色を楽しむことができる。ひとつながりのリビングルーム、ダイニングルーム、キッチンの空間と外とを仕切るのは、ガラスの引き戸と窓。玄関先の庭から、裏庭のプールに続く室内のテラスまでが、シームレスに繋がっている。また、裏庭に面したゲストルームや、屋根付きテラスにつながる音楽スタジオも、中央のリビングに隣接するように配置されている。
この形式ばらない自由度の高い配置によって、音楽や美術を愛する家族が、コレクション展示や即興のリサイタルを気軽に行える空間も実現している。
2階には3つのベッドルームがあり、それぞれが階段ホールで仕切られているため、家族全員がプライベート空間を享受することができる。1つ目のベッドルームは、バスルーム、ウォークインクローゼット、ラップアラウンドデッキ(部屋の外周を囲むデッキ)を備え、遠く太平洋まで見渡せる眺望を確保している。残り2つのベッドルームは、2つ目のフルバスルームとプールを見下ろすエクステリアデッキを共有している。2階のデッキとプールテラスはらせん階段でつながっており、沿岸の気候を存分に楽しむことができる設計だ。
パシフィック・パリセードの黄金色の陽光を浴びながらくつろげる「ラップ・リセス・ハウス」は、住人のプライバシーを犠牲にすることなくアウトドアライフが満喫できる、休暇に最適な環境を提供する。
アーロン・ニューベルト・アーキテクツについて
アーロン・ニューベルト・アーキテクツは、2006年、ロサンゼルスに設立された建築デザイン事務所。ランドスケープ、光、そしてマテリアルを詩的に編成することで体験を増幅させるような美しい空間を創り出し、我々に課せられた環境への責務を果たせるよう取組んでいる。住居やホテル、レストラン、商業施設、公共施設など、あらゆる分野でサステナブルでサイトスペシフィックなプロジェクトを手掛け、複雑でデリケートな環境問題に向き合うことで、コミュニティのウェルネス向上に貢献している。