憩いの場としてのンダルジャ・ビル
OODAが住宅、ホスピタリティ、オフィス、商業用として計画されたンダルジャ・ビルの設計を手がけた。このビルは、新旧が融合するティラナ中心部のミスリム通りに位置し、現在進行中の都市景観の変容に適応するように佇んでいる。緑豊かな植物に囲まれ反射する水面に照らされたこの空間は、建築の堅苦しさを和らげ、まるで建物がが呼吸しているように見える。同じような2つの断片的なボリュームは、最も狭い辺で整列され、都市の喧騒から離れて人々が寄り添う空間へと人々を誘う。
回転設計によって実現された構造ヴォリュームの「切れ目」は、都市空間を再定義し、通りと建物の流動的なつながりを深める。透明な水鏡はその中心でポータルとして機能し、地下に自然光を引き込み、外部と内部をつなぐ。このオープンエリアは、周辺の道路、広場、バルコニーガーデンの緑を統合し、近隣に心地よい環境をもたらす。広場はもはや単なる通路ではなく、真の都会のオアシスとなっている。
1階と2階には通りに近接し視認性が高いという利点を活かした商業スペースが、上層階には複合用途のプログラムが配置されている。ミスリム通りに面したボリュームは、息をのむような街の眺望を最大限に生かし、様々なタイプのアパートメントと上層階には高級ホテルを携えている。ピタルカ通りに面したボリュームもまた、アパートメント専用で、オフィス・スペースが追加され、各機能ごとに独立したロビーが特徴となっている。アースカラーを基調としたファサードは、この建物を街の視覚的な連続性に溶け込ませている。
ブリス・ソレイユとパンチングメタルのシートが光を調整し、居住者にプライバシーを提供する一方、バルコニーの様子を都市に反射させ、内部の環境を映し出している。建物内の植栽は風や日差しに強い樹種を慎重に選んで配置しており、そのため丈夫な緑地空間が確保され、都市環境に自然が調和した形で溶け込んでいる。
OODA
OODAは国籍の異なる50人以上の建築家からなるチームで構成され、様々な規模やプログラムのプロジェクトに取り組んでいる。個人住宅から大規模住宅、ホテル、施設建築からマスタープランまで、現在OODAが管理する建築面積は60万平方メートルを超える。チームメンバー全員の距離が近く、コンパートメントやヒエラルキーのない水平的な組織構造で活動している。