一時的な建物や展示の解体でできる廃材の利活用

建築コレクティブ・GROUPが建築にまつわる「こと」を引き継いでいくプロジェクトとして、サブスクリプション型プラットフォーム「ことの次第 / Way of Things」を2024年8月下旬より開始する。本プロジェクトでは建築/空間/場所に用いられる材料や部品を、建築にまつわる「こと」と定義。恒久的ではない建物や展示の解体と共に生まれる廃材を極力減らすべくその利活用に着目し「こと」(=建築/空間/場所に用いられる材料や部品)のその後を引き継いでいくことで新たな建築や展示の現れをつくることを目指す。

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ことの次第 HP-Archive ページ. サービスにアップロードされた「こと」はホームページにアーカイブされていく

本プラットフォームでは建築家から施工業者、家具職人からアーティスト、自ら店舗や空間を作りたいと考えるオーナーにデザイナー、DIY 愛好家まで、「こと」に関心のある人が誰でも参加できる。建築や展示の設計プロセスや図面を限定公開するほか、「こと」が今までどのような用途で使われてきたかの履歴情報も公開され、引き取り手が新たに立ち上げる次の建築や展示の設計に活用することもできる。設計図面段階からの情報を共有/活用し、誰もが参加できる「こと」の情報共有プラットフォームを提供することで、新品以外の「こと」をつかう選択肢を増やし、これからの建築の形や展示づくりのあり方を模索する。

具体的には、「ことの次第 / Way of Things」では建築にまつわる4つのフェーズ(設計/施工/竣工/解体)が繰り返され、「こと」が循環されていくことを目指している。プラットフォームではそれぞれのフェーズにおいて「こと」の情報が共有され、解体を待つ「こと」の引き取りを申し込み・相談することができる。さらに、「こと」が今までどのように使われてきたかの履歴情報や建築、展示の設計プロセス、図面も共有され、引き取り手がそれらを活用することもできる。

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また、プラットフォームのサブスクリプションに登録すると、上記4つのフェーズに応じてGROUPが提供するサービス(作図・設計依頼、施工相談、資材引き取り手募集など)を利用することができる。

GROUP

GROUP は建築プロジェクトを通して、異なる専門性を持つ人々が仮設的かつ継続的に共同できる場の構築を目指し、設計・リサーチ・施工をする建築コレクティブ。主な活動として、設計・施工「夢洲の庭」(大阪府、2025)、設計・運営「海老名芸術高速」(神奈川県、2021)、設計・施工「新宿ホワイトハウスの庭」(東京都、2021)、企画・編集「ノーツ 第一号 庭」(NOTESEDITION、2021)、設計「EASTEAST_TOKYO」(アートフェア会場構成、2023)、グループ展「Involvement / Rain / Water Passage」(金沢21世紀美術館 DXP展、2023)、個展「島をつくる | Plannig Another Island」(MYNAVI ART SQUARE、2024)、個展「手入れ / Repair 」(WHITEHOUSE、2021)など。