ボールマン・カパロワ(Ballman Khapalova)によるコンセプトプロポーザル

NYマンハッタンのセントジョンーズパークはホランドトンネルの終点であり、1日10万人が利用するマンハッタンへの入り口でもある。ロータリーは5つの出口車線(オフランプ)を使って5方向に交通が分かれている。このような複雑な交通パターンのため、敷地の中心部にはアクセスできず、建設されていないままの状態が続き、セントジョーンズパークは一般の人に閉鎖されている状態になっている。建築事務所のボールマン・カパロワはこのようなセントジョーンズパークの対してコンセプトプロポーザルを提示した。

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セントジョンーズパーク / St. John's Park All images ©︎ Ballman Khapalova

このプロポーザルは、トンネルの交通が妨げられることなく継続するよう、既存の出口車線の形状から成りたつ。連続したループは通りの高さから地下一階にまで通行できるようにし、敷地の中心を掘削して公園を形成し、既存車道の下で歩行者の通行を可能にする。ロータリーは障害物ではなく、ハドソンスクエア、ソーホー、トライベッカを結ぶ近隣への中心地となる。ループ構造は、車道から屋内外のプログラムスペースに至るまで、新しいセントジョンズパークのすべての要素と活動を定義し、相互に結びつける。

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道路では、ループは交通から保護された小さな公園、すなわち親密な空間が広がる広場、野生の庭園、ドッグパーク、遊び場を形成する。車から公園を守る壁は、1983年から1987年にかけてこの場所に設置されたリチャード・セラの弧状の彫刻を彷彿とさせ、マンハッタンに入る瞬間をフレーム化する。ストリートからの階段、スロープおよびエレベーターはセントラルローワーパーク、およびそれを囲む内部スペースに到る。

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近隣の広場としての役割を果たすローワーパークは、目的地であり、接続のポイントでもある。それは直径275フィートで、空に向かって開かれ、在来の植物が植えられる。豪雨時にはバイオスウェール(生物低湿地)として機能し、水を保持し、敷地内の様々な水流調整機能を介して流れ出る水を統合する。公園は多くの機能を収容することができ、 人が集い、リラックスし、人間ウォッチングをするための広場や、運動場や遊び場、冬にはアイススケートリンク、ダウンタウンのファーマーズマーケット、映画やパフォーマンスのための屋外会場など、様々な用途が考えらる。

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ロウアーパークの外周には映画館や講堂、レストランやカフェ、ヨガスタジオや浴場、教育や子供向けのプログラムなど、様々なプログラムを収容することができる。ロウアーパークと内部空間との間の敷居として、道路を支える柱は、雨や雪、夏の日差しから身を守るアーケードを演出している。サーキュレーションの他にも、屋外レストランやカフェ、悪天候時のファーマーズマーケット、子供たちのための屋根付きの屋外遊び場などにも利用できる。

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家族のための場所や遊びの場を提供し、都市生活の憩いの場を形成し、文化的な目的地になることから、新しいセントジョーンズパークは、ニューヨークの中心部にありながら約1世紀に渡ってアクセスできなかった空き地を利用して、都市公共生活のためのユニークで重要な中心地になる。

セントジョーンズパークのプロポーザルは、2019年建築家新聞ベスト・オブ・デザインアワード(アンビルド・アーバンデザイン)、2020年Architezer A+アワード(トランスポーテーション・アンビルド部門)で特別賞、2020年建築マスタープライズ(Architectural MasterPrize)で建築デザイン(トランスポーテーションとランドスケープ建築)アーバンデザインの2つの佳作を受賞。

ボールマン・カパロワ / Ballman Khapalova

ニューヨークを拠点とするボールマン・カパロワは、想像力に富んだ構造物、形態、イベント、活動を通して、都市の見え方を変えることで、親密さと都市の融合を目指す建築事務所。放置され、荒涼とした地域での彼らの都市の仕事は遊び、アート、パフォーマンス、レクリエーション、反射、癒し、および討論の新しいスペースを導入する機会を開発し、住民および訪問者がストリート、近所、川岸、または都市を新しい方法で経験し、想像する機会を可能にする。設計と建設の豊富な経験を生かして、彼らは設計プロセスの初期段階から貢献者の非常に有能なチームを選択して管理し、先見性の約束を損なうことなく、物理的、環境的、論理的に達成可能な統合された実現可能な設計を行う。