文化的意義と詩的な表現を持つ建築物を創るという設計理念
台北と上海にオフィスを構える建築事務所KRIS YAO|ARTECHは、権威あるアーキタイザーA+アワードで今年の「アジア部門最優秀企業賞」に選ばれた。同事務所のアーキタイザーA+アワードでのこれまでの受賞実績は、「コスモロジーセンター台湾大学」(2018年)、「彰化高速鉄道駅」(2016年)、「中国鋼鉄本社」(2013年)などがある。
創業者である建築家のクリス・ヤオが率いる当事務所は、革新的で適切な技術によって文化的意義と詩的な表現を持つ建築作品を作ることを設計理念とし、幅広い建築プロジェクトで継続的に実施。特に中国で最も美しい劇場と称される印象的な烏鎮劇場、精神的な水月寺、象徴的な故宮博物院南院、数々の賞を受賞した蘭陽博物館など、文化プロジェクトで有名。KRIS YAO|ARTECHの作品は、多くのメディアで評価され、発表されている。
2020年末にオープンしたホテル・レゾナンス台北は、タイムズ誌の「2021年の世界の最も素晴らしい場所」に台北で選出され、シラキュース大学建築学部の学部長兼教授であるマイケル・スピークスは、KRIS YAO|ARTECHのプロジェクトについて「建築の物質性、外界をいかにフィルターしたりフレーム化するかだけでなく、こうした空間や場所に対する我々の感情体験、グローバル近代化という多重で複雑な時間性を移行しながら我々がどのように出会い、互いに関係するかということにも関心がある」と述べている。
今回、KRIS YAO|ARTECHは、台北の一等地にある「台北市立音楽センター・図書館」のコンペを勝ち抜き「台北市立音楽センター・図書館」を設計。このプロジェクトは、1,500席のシンフォニーホール、600席のマルチメディアリハーサルと実験スペース、90万冊の蔵書を持つ図書館を含むプログラムとなっている。台北市の活気ある文化生活に重要な役割を果たす優れたプロジェクトとなることが期待される。
KRIS YAO|ARTECH(クリス・ヤオ・アーテック)について
KRIS YAO|ARTECHは、1985年にクリス・ヤオ(FAIA)により設立される。商業、ホスピタリティ、文化、教育、交通、パフォーマンスセンター、住宅、スピリチュアルプロジェクトなど、長年にわたる実践を示すポートフォリオがあり、2002年、クリス・ヤオは第8回ヴェネチア建築ビエンナーレの個展「NEXT EXIT」に招待され、その後も多くの国際的建築イベントに参加している。最近の個展「Within.Without」は、2016年にMoCA(上海)で開催された。