地球上のどこにもないような不思議と謎に満ちたファンタジー空間
『不思議の国のアリス』で、アリスは白ウサギを追ってウサギの穴に入り別空想の世界へ行き、マッドハッターは言った。"地上の世界とは違う場所がある。そこはファンタジーと神秘に満ちている......" また、フロイトの『夢の解釈』によると"夢の内容は意図の形成によるもので、目的は意志を満たすことである "と言われている。夢は解放感であり私たちはグリーンマッサージマダンロードで束の間の現実逃避をし、深いリラクゼーションを体験することができる。
グリーンマッサージマダンロードに入ると“うさぎの穴”が幻想の森へと導いてくれる。疲れた体を徐々に現実から切り離し、無意識のうちに自然に包まれ新しい感覚を再編成していくプロセスである。気づきの意識は次第に解放されリラックスしていく。
グリーンマッサージマダンロードは上海の中心部にあるジャン・ヌーベル設計の目立つ大きな赤いビルの総合商業施設内にある。通りからこのビルに入ると一瞬にしてこの特別な環境に浸ることができる。しかしマッサージスペースには周囲のレストランのような明るい照明や大きく開け放たれた窓はない。静かでゆったりとした雰囲気が基本にした地下2階の開放的な店舗で、特に目立つ場所ではない。その欠点を逆手に取って、まさに“うさぎの穴”のようなエントランスがつくられた。入り口は大きな緑の植物で覆って蛍の光で照らし、洞窟の中に入ると薄暗い照明と特大のファンタジーフラワーがガーデンエリアへと導いていく。
『不思議の国のアリス』の物語ではマッドハッターとゲストが庭でアフタヌーンティーを飲んでいたが、この待合スペースのコンセプトにも通じるものがある。ゲストの感覚はすでに“遊び”に没頭し、マッサージエリアでは踊るような蛍の光が魅力的な花々が咲き乱れるより深い迷宮へと導く。グラデーションの光は洞窟のステージのスポットライトとなり、不規則な鏡は再び夢の世界のような幻想的な感覚を映し出している。疲れた体と心をリラックスさせ、幾重にも重なる没入感の中で伸び伸びとした時間を過ごすことを目的としている。
最後にアリスは夢の世界を通って自分自身を発見する。グリーンマッサージマダンロードでは現実のストレスと緊張から、快適さと寛容さでストレスフリーへ導く“ウサギの穴”を体験することができる。
Vermilion Zhou Design Group / ヴァーミリオン周デザイングループについて
Vermilion Zhou Design Group(ヴァーミリオン周デザイングループ)は、2002年にクアンミン(レイ)・チョウ(創業者兼クリエイティブディレクター)とヴェラ・チュウ(創業者兼照明デザインディレクターにより上海で設立。2009年ガービン・フン(インテリアデザインディレクター)がチームに加わる。アジア太平洋地域で公共空間、住居空間、ホテル、オフィス、レストランなどの商業空間など、800を超えるプロジェクトを完成させ、常にデザインの限界を押し広げ、新たな可能性を追求している。特にモダンな東洋のライフスタイルを表現するデザインは、この分野でのバーミリオン周のユニークなアイデンティティと評価を確立している。