砂漠における持続可能な建築
A.ラーマン・アーキテクツは、イスラエルはベエル・シェヴァの砂漠郊外('MIDBAR'=砂漠)にある、環境意識の育成を目的とした公園「MIDBARIUM」(ミッドバリウム)を発表した。様々な自然の要素を再現し考え抜かれたこのオープンスペースでは、この地域に生息する多様な野生生物が展示されている。このプロジェクトにはイスラエル内外の専門家からなる多分野のチームが協力し、A.ラーマン・アーキテクツは建築デザインを担うべく参加した。
エントランスの屋根のデザインは、砂漠に住む人々の地元の伝統にちなんだもの。生コンクリートで打設され、1,800平方メートルを覆うテント構造のようで、訪問者を涼しい日陰の空間へと迎え入れる。この構造は、1960年代のイスラエル南部地区の都市ベエル・シェヴァを代表するブルータリズム建築:市庁舎と大学図書館で知られる建設技師ラフィ・バットとの緊密なパートナーシップによって設計された。
重量と質量を強調することで知られる伝統的なブルータリズム建築とは異なり、繊細な三角形の梁のグリッドを開発するには、シニア・エンジニアのコンクリートに関する専門知識が不可欠だった。光と影はベールのようなグリッドを通して投影され、パブリック・イベント・スペースの境界を定義している。屋根の下には、相互につながった歩道、便利なキオスク、来訪者をもてなす必要なサービススペースや店舗、多目的な円形劇場、座席エリア、情報センターなど、活気ある活動の場が広がる。これらの要素は、公園の出入り口付近に戦略的に配置されている。
屋根は隣接する教育棟に新鮮な空気をスマートに導いている。狭い通路が新鮮な空気を建物の循環システムへと促し、空調はエコロジカルな換気に置き換えられ、ミッドバリウムの持続可能性へのコミットメントに完全に合致している。
私たちが目指したのは、この街の最も著名な建築的アイコンであるコンクリート建築の遺産と、土着的な知識をシームレスに統合することでした。このユニークな組み合わせが独特の雰囲気を生み出すと考えたのです。空調機能を取り払うことで、砂漠の空気を迎え入れ、街との新しい絆を築いています。 アサフ・ラーマン、A.ラーマン・アーキテクツ
A.ラーマン・アーキテクツ
建築家協会(ロンドン)で豊富なグローバル経験を積んだアサフ・ラーマンが率いる。A.ラーマンの作法は、クライアントのニーズを徹底的に分析することに基づいており、同時に各プロジェクトを定義する経済的・法的基準にも留意。設計プロセスを、優先順位をつけるべきパラメータを持つシステムとして捉えている。
そのユニークな仕事ぶりにより、イスラエルで多くの有名建築物の設計を受注。同社は現在、公共事業からハイテク、ホテル、商業、住宅に至るまで、多様なプロジェクトに注力しており、質の高い専門知識、専門家の豊富なネットワーク、地元のエコシステムへの入り口を各設計カテゴリーに提供している。